地域医療振興協会 練馬光が丘病院 様

新病院の仮想化基盤をHCIで構築、多くの部門システムを集約して運用も容易に

練馬光が丘病院では新病院への移転に際して、各部門システムを仮想化・集約する仮想化基盤をHCI(Hyper Converged Infrastructure)で構築した。設計から構築をアライドテレシスが担い、運用フェーズも「Net.Monitor」で手厚く支援。スモールスタートで始め、集約が進むに伴って、今後はサーバー室スペースの削減や電気代の節約、サーバー運用の容易化などの効果が期待できる。(2023年4月公開)

業種・業務
医療
ソリューション
スイッチソリューション VCS
導入製品
システムインテグレーション ネットワーク運用 ディストリビューションスイッチ エッジスイッチ ITサービス(Net.Service)
導入目的
HCI(仮想化基盤) ICT活用 VDI(仮想デスクトップ) ネットワークの改修・増築・刷新 運⽤・管理の向上 環境の整備 安定稼働・安定通信 ネットワーク監視の強化 運用・管理・監視の支援を外部に委託 業務効率の向上 コスト削減 クラウド利用
課 題
病院の新築移転にあたり部門サーバーを仮想化・集約したい
サーバー運用を容易に行いたい サーバー室のスペース不足
採用ポイント
HCIによる仮想化基盤で多くの物理サーバーの部門システムを集約
提案から構築、運用まで アライドテレシスの手厚い支援
効 果
仮想化・集約でラックスペースや電気代を節約
仮想化基盤に集約することで運用が容易に

環境への配慮も特徴とする総合病院

 東京都練馬区の練馬光が丘病院は、ほぼ全診療科を備えた中規模総合病院だ。地域医療の推進を目的に設立された公益社団法人である地域医療振興協会所属で、人口に対して医療供給の少ない地域と言われる練馬区の救急医療の要として、また小児・周産期医療、災害時医療などの拠点病院としての役割も担っている。
 練馬光が丘病院は2022年10月に新築移転した。「従来の建物は老朽化して手狭になっており、練馬区や区西北部エリアの急性期医療の充実を目指すため新築移転しました」と語るのは、練馬光が丘病院 総務課 係長の鈴木 浩之氏。
 新しい練馬光が丘病院の建物はもともと中学校だった土地に建てられており、敷地も拡大。病床数は457床に増え、診療科の拡大や専門医療の強化も行われている。
 練馬光が丘病院では新病院への移転にともない、各部門のサーバーを仮想化、集約する仮想化基盤を構築した。

新病院への移転にともない仮想化基盤を構築

 以前の建屋での部門サーバー運用には課題があったと鈴木氏。一つは病院には部門数が多くあることから必然的にシステムも非常に多くなり、それらシステムごとに更新時期が異なることだ。「更新時期がベンダーによってバラバラで、しかもそのシステムが動いているハードウェアの更新までしなければならないケースもあります。数年おきの更新が大きな手間やコストになっています」と鈴木氏。もう一つは、当時もすでに仮想化しているシステムもあったものの、それらを集約するというところまで検討が進んでいなかったことだ。
 練馬光が丘病院では、同じ系列の地域医療振興協会所属の病院にインフラ構築の相談や支援を受ける中、その縁でアライドテレシスの紹介を受けたという。「アライドテレシスに仮想化基盤の紹介やデモなどをしてもらい、ちょうど新病院への移転があるということで、仮想化のための基盤となるHCI(Hyper Converged Infrastructure)を提案してもらうことになりました」と鈴木氏は振り返る。
 検討を行った当時は新病院でのサーバー室がどの程度の広さを確保できるか未定だったこともあり、各部門システムの集約は必須だったという。また仮想化基盤を導入するといっても、各部門システムは更新時期も異なるため一気にすべてのシステムを仮想化・集約できるわけではない。そこでスモールスタートして、段階的に集約を進めていくことのできるHCIによる仮想化基盤の構築を検討することとなった。

アライドテレシスの支援のもとHCIを導入

 アライドテレシスは練馬光が丘病院の依頼を受け、Dell社のVxRail、Nutanix(ニュータニックス)社のHCIソリューションによる仮想化基盤構築の提案を行った。検討の結果、練馬光が丘病院が採用したのはVxRailだ。
 Dell社のVxRailの提案は、vSANを構成する物理ディスクをSSDで構成することで高い性能を発揮。大容量のアーカイブ領域を外部ストレージに分散させることでコストを削減。シングルCPUソケットでクラスタを構成することでOracleDBのライセンス費用を低減。業務通信だけでなくバックアップ通信にも10Gbps冗長NICで広帯域を確保、といったメリットがあった。「VMwareを少し触る機会があり、VxRailの方がイメージしやすかったこと、支援をお願いしている系列病院がVxRailで仮想化基盤を構築していたことなどもあって、VxRailを採用しました」と鈴木氏。
 設計・構築はアライドテレシスが一緒に進め、新病院のオープンとともに仮想化基盤もスケジュール通りに稼働を開始している。
 アライドテレシスの支援について、練馬光が丘病院 総務課 情報システム担当の山口 聖測氏は、「設計から構築まで一緒に行いサポートしていただき、大変助かりました。システムの仮想化などについても、さまざまな支援をしていただき、例えばマニュアル作成といったところまで対応いただけてありがたく思っています」とアライドテレシスの支援を評価する。
 仮想化基盤は稼働開始以来、大きなトラブルもなく安定して稼働している。スタート時点では健診システムやレポートシステム、ファイルサーバー、ファイルメーカーで作成したシステムなど4つの仮想サーバーが仮想化基盤上で稼働している。「もちろん将来的にはコストも勘案した上で可能な限り、部門システムを仮想化基盤に集約していきたいと考えています」と鈴木氏。サーバー室には現在、ラックが17本ほどあり、電子カルテシステムやネットワークなどのほかに、多くの部門システムが物理サーバー上で動いている。今後は更新時期なども考慮しながら仮想化・集約を進めていくという。

集約が進めば物理サーバーは半分以下に

 新病院に移転して半年ほど、まだ大きな効果が現れているわけではないが、今後仮想化・集約が進むことでの期待を鈴木氏は語る。「集約により仮想サーバーを一括で管理できるようになりますので、運用は容易になります。物理サーバーが減ることで、スペースや電気代の節約などにも繋がると考えています。サーバーの数は半分以下になるのではないかと期待します」と鈴木氏。
 今回の導入では、アライドテレシスの運用支援サービス「Net.Monitor」も採用している。「以前は何か起こってから調査の依頼をする形でしたが、障害の早期検出・予兆検出をしてもらえますので運用の面でも安心感があります」と鈴木氏は言う。
 新病院のスタートとともに仮想化基盤を整備した練馬光が丘病院。今後は仮想化・集約を進めながら、情報システム部門としてさまざまな病院の課題を解決していく。
 山口氏は、「ネットワークも含めインフラの見える化を進めて運用性を高めるとともに、より一層の安定稼働を目指していきたいと思います」と語る。鈴木氏は、「オフラインバックアップなども提案してもらっていますが、セキュリティは常に高めていきたいと考えています。さまざまなソリューションを持つアライドテレシスに今後も良い提案を期待しています」と最後に語った。
 アライドテレシスはこれからも、練馬光が丘病院のさまざまな課題解決を、製品や技術、サポートなどの提供を通じて、積極的に支援していく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

お客様プロフィール

練馬光が丘病院
総務課 係長
情報システム担当
鈴木 浩之氏

病院名
地域医療振興協会 練馬光が丘病院
所在地
東京都練馬区光が丘2-5-1
病院長
光定 誠
病床数
457床
URL
https://hikarigaoka-jadecom.jp/
取り組み

「皆様とともに地域の発展に貢献します」という理念のもと、救急、小児、周産期、災害時医療を中心に、練馬区や区西北部エリアを中心とした地域の急性期医療の充実を進める。住民や周辺医療機関との連携を密に、地域の医療ニーズにより一層応えられるように、医療サービスや災害対応が向上できるようにますます努力していく。

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