順天堂大学医学部附属順天堂医院 様
AMFの導入により、障害に強く、コストパフォーマンスの高い 病院ネットワークを実現
順天堂大学医学部附属順天堂医院では、1号館のネットワーク更新において、アライドテレシスのネットワークソリューションを採用。 AMF(Autonomous Management Framework)による統合管理や自動復旧とともに、課題となっていたネットワーク速度の改善や、 Net.Monitorによる監視・保守の強化も実現している。(2020年5月公開)
- 業種・業務
- 医療
- ソリューション
- ネットワーク運⽤ AMF Vista Manager シリーズ スイッチソリューション VCS PoE
- 導入製品
- コアスイッチ ディストリビューションスイッチ エッジスイッチ 無線LAN ルーター(有線LAN) ITサービス(Net.Service)
- 導入目的
- ネットワークの改修・増築・刷新 運⽤・管理の向上 環境の整備 統合管理 安定稼働・安定通信 ネットワーク監視の強化 運用・管理・監視の支援を外部に委託
総病床数3443床を有する日本最大規模の医療ネットワーク
順天堂大学医学部附属順天堂医院(以下、順天堂医院)は、「不断前進」の理念のもとに学是「仁」を大切にしながら、出身校・国籍・性別の差別のない“三無主義”を学風として掲げ、6学部3研究科6附属病院からなる「健康総合大学・大学院大学」として教育・研究・医療そしてリベラル・アーツを通じて国際レベルでの社会貢献と人材育成を進めている。附属6病院合計で総病床数3,443床を有し、日本最大規模の強固なネットワークを形成。
先進医療、地域医療、救急医療、周産期医療、高齢者医療、精神医療、がん治療、新規医薬品・医療材料・機器の開発など、国民の医療ニーズに幅広く対応する高い専門性を発展させつつ、総合力に秀でた医育機関として、全国そして国際レベルでの病診・病病連携を強めている。順天堂医院の医療情報システム導入は1993年から始まり、1999年にはオーダリングシステム、2009年には入院部門の電子カルテシステム、2015年には外来についても電子カルテシステムの運用を開始。
その後も安定稼働を重視して、部門間連携の見直しと強化や、地域医療連携システムの導入も行っている。「2018年には文書原本化システムも導入し、2019年度には1号館のネットワーク更新を実施しました」と話すのは、学校法人順天堂情報センター本部本郷地区情報センター課長(兼センター長補佐)の杉村雅文氏だ。今回の1号館ネットワーク更新において順天堂医院が採用したのがアライドテレシスのネットワークソリューションである。
医療ネットワークのアップグレードと3つのネットワーク統合化
1号館は、順天堂医院の外来、入院、さらに順天堂大学医学部も利用する建屋である。1号館の医療系ネットワークの最終更新は2007年度、患者用ネットワークと学内ネットワークも2012年度と、ネットワーク導入から年を経ており、設置場所も課題となっていた。
「ネットワークが物理的に3つに分かれており、狭小な場所での設置が課題となっていました。患者さん用Wi-Fiが一部利用に限られていることや近年、端末台数と通信データ量の増大がネットワーク負荷となっていることも課題でした」と杉村氏は語る。従来のネットワークは、幹線が1Gbps×2、末端は100Mbpsで、一部に入っていた無線LANもIEEE802.11gで54Mbpsと、アップグレードが必要だった。
ネットワークの速度と安定性の向上、さらに利便性も改善すべく、複数のネットワークベンダーの提案を検討。アライドテレシスのネットワークソリューションを採用した。その理由について杉村氏は、「私たちの要望にマッチした提案をしてもらいました。分かりやすく課題を解決する提案で、これだと思える提案でした」と振り返る。
一元管理により運用工数とコストを削減し、安定して快適な無線LAN環境を提供
アライドテレシスの提案は、「AMF(Autonomous Management Framework)」によるネットワークの一元管理で運用工数とコストを削減するとともに、安定して快適な無線LAN環境を提供。さらに、物理的に分離していた医療系と学内系のネットワークを統合し、ダイナミックVLANを用いて論理分割することで利便性を向上するとともに、複雑化していた配線や機器構成をシンプル化。
あわせて、導入後のサポートにワンストップITサービスである「Net.Monitor」を提案した。アライドテレシスのAMFは、複数のネットワーク機器の一括設定や一括アップデート、遠隔地からの管理・設定変更、事前設定不要の機器交換といった運用を可能とする機能だ。AMFの導入により運用・管理工数とコストの大幅な削減、障害時の自動復旧を実現する。杉村氏は、「早期復旧は医療系ネットワークを運用する立場としては大きなメリットです」と、とくに自動復旧を高く評価している。
新たなネットワークには、AMFのマスターとしてアドバンスト・レイヤー3・モジュラー・スイッチ「Switch Bladex 908GEN2」を冗長化して設置。フロア・スイッチ、およびエッジ・スイッチには「Centre COMx230シリーズ」を導入。アクセスポイントには「ATTQ5403」を採用している。構築について学校法人順天堂情報センター本部本郷地区情報センターの吉田氏は、「アライドテレシスの支援でスムーズに導入を進めることができました」と評価する。学校法人順天堂情報センター本部本郷地区情報センターの高橋健太氏も、「アライドテレシスはプロジェクトの進め方が上手く、課題の管理などもしっかりしていて、安心して導入を任せられました」と語る。
今回のネットワーク更新では、電子カルテシステムのバージョンアップ作業も同時に行われたが、アライドテレシスの支援のもと最低限のネットワーク停止時間で切り替えを実施し、全体の作業もスムーズに完了したという。あわせて今回の更新では、ネットワーク機器のリプレースだけでなく、EPS内にある機器をHUBボックスを利用して整備、幹線光ケーブルの敷設、ケーブルタグの付与などもアライドテレシスの提案により実施した。
ネットワークの課題を解決、今後は無線LAN環境の基盤統合も視野に
新たなネットワークの稼働以降、大きな問題は発生していないという。杉村氏は、「問題なく稼働しています。課題となっていたネットワーク速度についても向上しています。インシデント発生時にも、リモートでログ調査などを実施して頂けるので、これまで機器ログを取得してベンダーに調査依頼していた手間が省けています」と評価する。
ネットワークは、幹線が10Gbps×2、末端もギガ化しており、速度は大幅に向上している。無線についても繋がらない、遅いといった声は上がっておらず、安定して利用できている。「これまでは14階だけだった患者さん用のWi-Fiについても、病棟すべてをカバーできるようになりました」と吉田氏。EPS内の機器をHUBボックスを利用して整備したことで、機器のメンテナンス性が向上したことに加え、「工事などで誤ってケーブルを破損してしまうような二次障害も起きにくくなりました。
これもメリットの一つです」と吉田氏は評価する。Net.Monitorによる常時監視も行われており、これまで大きな障害は発生していないが、ポータルサイトで監視状況の可視化も実現しており、万一の際の迅速な復旧を可能としている。1号館のネットワーク更新を完了した順天堂医院では今後も、セキュアで止まらないネットワークを構築、運用していく。
吉田氏は、「最近は、外部のAIや検査機関の活用などといった話も出てきています。セキュリティを担保しつつ、インターネット分離などの技術も取り入れて、外部のサービスをセキュアに利用できるようにしていきたいと考えています。アライドテレシスは国内ベンダーで、情報も早く、良い提案をしてくれており、安心してお願いできています。これからも支援を期待しています」と語る。杉村氏は、「今後は、無線LAN環境をアライドテレシスの基盤に統合化していくことも検討しています。他の建屋ではいくつか運用上の課題がありますので、統合的に管理して、利用者の利便性も向上していきたいと思います」と今後の展望を語った。アライドテレシスではこれからも、順天堂大学医学部附属順天堂医院のネットワークを製品や技術、サポートの提供を通じて、積極的に支援していく。
導入ネットワーク構成イメージ図
導入企業基本情報
お客様プロフィール
学校法人順天堂
情報センター本部
本郷地区情報センター 課長
(兼 センター長補佐)
杉村 雅文氏
- 病院名
- 順天堂大学医学部附属順天堂医院
- 所在地
- 東京都文京区本郷3丁目1番3号
- 開設
- 1838年
- 院長
- 髙橋 和久
- 病床数
- 1,051床(一般:1,036床、精神:15床)
- URL
- https://www.juntendo.ac.jp/hospital/
取り組み
1838(天保9)年、学祖・佐藤泰然が江戸・薬研堀(現在の東京都中央区東日本橋)に設立したオランダ医学塾・和田塾に端を発し、今につながる日本最古の西洋医学塾。