国家公務員共済組合連合会 舞鶴共済病院 様

AMFとAWCにより、電子カルテシステムの基盤となる HISネットワークを刷新

京都府舞鶴市の国家公務員共済組合連合会 舞鶴共済病院では、電子カルテシステムの更改に先立ち、 HIS(病院情報システム)ネットワークの見直しを実施。アライドテレシスのネットワークソリューショ ンを導入し、AMF(Autonomous Management Framework)によって統合されたネットワー ク管理基盤を構築し、さらに障害からの迅速な復旧を可能とした。また、自律型無線LANソリューシ ョンであるAWC(Autonomous Wave Control)の導入で快適な無線LAN環境を実現した。(2020年9月公開)

医療・福祉 近畿 病床数:300床
目 的
病院内Wi-Fiの整備 無線LANの導入 ネットワークの安定稼働 運用・管理の効率化 ネットワーク監視の強化 業務効率の向上
プロダクト・サービス
無線LANアクセスポイント AWC スイッチ VCS Vista Managerシリーズ AMF
規 模
100~499

電子カルテシステムの基盤となるネットワークを見直し

  国家公務員共済組合連合会舞鶴共済病院は、京都府舞鶴市を中心に北部京都、福井嶺南地方を医療圏とする急性期基幹病院だ。
「当院は全国に32ある国家公務員共済組合連合会病院の一つで、急性期病院としてとくに心臓病や各種癌の治療、透析、周産期医療などが当院の強みです」と話すのは、舞鶴共済病院病院長の布施春樹氏だ。同院は「Baby Friendly Hospital(BFH)赤ちゃんに優しい病院」として、WHO・ユニセフによって認定されている。BFH認定病院は母乳育児を支援するための「母乳育児成功のための10カ条」を長期にわたって遵守する必要がある。
「BFHは継続して受けることが難しい認定なのですが、当院は10年以上継続して認定されています。今後も認定を受けられるよう取り組んでいきます」と布施病院長は語る。舞鶴市には他にも2つの公的医療機関があることから、地域医療構想による再編の話も出ているが、「役割をしっかりと住み分けて機能していくことが重要」と布施病院長。「個々の病院間の話だけでなく舞鶴市全体で医療再編を早急に考えていく必要があります。
当院は急性期基幹病院としてあり続けることになりますが、そのためにもネットワークやその上のシステムの充実は必須です」と布施病院長。舞鶴共済病院では今回、2021年度の電子カルテシステム更改を前に、その基盤となるHIS(病院情報システム)ネットワークの見直しを実施。アライドテレシスのネットワークを導入した。

この先10年を見据えたHISネットワークを構築

 舞鶴共済病院は、1982年に建設されたA棟、1994年建設のB棟、そして2015年に完成したC棟と、3つの建屋から構成されており、ネットワークは導入されていたものの課題があったという。「その都度導入や更新を行ってきたためネットワークが複雑化しており、次の電子カルテシステム更改前に整備したいと考えていました」と話すのは、舞鶴共済病院経営企画課・電算管理課・管財課課長の川﨑隆人氏。その他にも「無線LANが少々不安定だったり、速度にも問題を抱えていたりしました。
この先を見据えてHISネットワーク全体を更新する必要がありました」と舞鶴共済病院電算管理課の藤川広誉氏は言う。新たなネットワークに求めた要件としてポイントになったのは、「この先10年使えるネットワーク」である。川﨑氏は、「将来的にあと10年使うことを考えて導入しようと考えていました。そのためには製品の信頼性はもちろんですが、メンテナンスや保守体制も重視しました」と話す。
その他にも要件としては、運用管理性や、安定性・信頼性の高いネットワークであること、それにともない必要な部分には適宜冗長化を行うことなども挙げられた。「以前のネットワークでは冗長化が十分ではないことにより、ネットワークの復旧に時間がかかってしまうケースもありました。手術室など、重要な部分についてはネットワークを冗長化して、医療や業務を止めないことが求められました」と藤川氏は言う。

AMFでネットワークを一元管理、AWCで無線LAN環境を自律調整

 入札を経て、新たなネットワークとして採用したのがアライドテレシスである。アライドテレシスについては、「以前、放射線系のネットワークで製品を導入したことがありましたし、他の国家公務員共済組合連合会の病院でも導入実績がありましたので、信頼性は間違いないだろうと考えました」と川﨑氏。
今回の新ネットワークは、コア・スイッチとして、アドバンスト・レイヤー3・モジュラー・スイッチ「Switch Blade x908 GEN2」を冗長化して設置。フロア・スイッチにはギガビット・インテリジェント・スタッカブルスイッチ「CentreCOM AT-x530Lシリーズ」、エッジ・スイッチにはレイヤー2plusギガビット・インテリジェント・スイッチ「CentreCOM Secure HUBSH230シリーズ」、無線LANアクセスポイントとして「AT-TQm5403」を採用。
ネットワーク管理ツールとして、ユニファイド・ネットワークマネージメント・ソフトウェア「AT-Vista Manager EX」もあわせて導入している。ネットワークはアライドテレシスのAMF(Autonomous Management Framework)により統合的に管理を行う。
AMFは、複数のネットワーク機器の一括設定や一括アップデート、遠隔地からの管理・設定変更、事前設定不要の機器交換といった運用を可能とする機能だ。AMFの導入により運用・管理工数とコストの大幅な削減、障害時の自動復旧を実現する。無線LANについては、自律型無線LANソリューション「AWC(Autonomous Wave Control)」が導入されており、常に最適な電波出力、チャンネルが自律的に維持され、快適な無線LAN活用を実現する。

万一の備えにより安心感をもって運用が可能に

 新たなネットワークの構築は、極力ネットワークが止まる時間を短くするように実施。「アライドテレシスと打ち合わせをして、深夜帯を中心に極力診療や業務に支障の出ないよう調整をしました。こちらの要望にはすべて応えてもらっています」と藤川氏はアライドテレシスの対応を評価する。導入完了後、正式にネットワークは稼働をスタート。その後は大きな問題は発生せず、安定して稼働している。
舞鶴共済病院事務部長の木下常伸氏は、「現場からネットワークに繋がらない、遅いといった声はまったく聞いていません。安定して稼働していると思います」と語る。藤川氏も、「以前のネットワークでは、電波干渉により無線LANが繋がりにくい箇所もありましたが、新しいネットワークではそうした問題もありません。AWCの自律調整がしっかりと機能していると実感しています」と評価する。
運用についても、大きな問題も発生していないため手間の掛かるようなことも起きていない。コア・スイッチをはじめ主要な部分は冗長化されているほか、AMFの自動復旧機能により万一の際には工場出荷状態の機器に交換するだけで自動的にネットワーク設定が復旧するため、安心感をもって運用できているという。「予備機も準備がありますし、保守についても万一の際には駆けつけをお願いする形ですので、何かあっても短時間での復旧が可能です」と藤川氏。

遠隔からのオンライン診療なども視野にITのさらなる活用を

 電子カルテシステムの更改を次年度に予定している舞鶴共済病院。今後も医療サービスの基盤となるネットワークやシステムの充実を図っていく。「更改する電子カルテシステムがどのようなものになるかはまだ分りませんが、更改を無事に進められるよう、ネットワーク面での支援を期待しています」と木下氏はアライドテレシスへの期待を話す。
さらに、患者さん用のWi-Fiサービスや、スマートフォンの導入と電子カルテシステムとの連携など、ネットワークの活用拡大も視野に入っており、今後ますますネットワークの重要性が増していくという。「アライドテレシスのネットワークは信頼性が高く、メンテナンスもしやすいというメリットがあります。今後さまざまな活用拡大を予定していますが、アライドテレシスを選んで良かったとさらに実感できるのではないかと思います」と川﨑氏。最後に布施病院長に今後の展望を聞いた。
「医療においてITの活用は今後ますます必須です。医師・職員の働き方改革にも繋がりますし、オンライン診療など医療サービスの向上にもITは必要です。医師・職員のためのツールでもあり、病院全体としては患者さんのためのツールになっていけば良いと考えています。とくに、当院は非常勤の医師も多いので、遠隔から治療や投薬の指示が出せるようになることは大きなメリットがあると思いますし、今回のコロナ禍のような際にもそうした仕組みがあれば、患者さんにとっても良いと思います」と布施病院長は語った。アライドテレシスではこれからも、舞鶴共済病院の医療サービスの基盤となるネットワークを、製品やサービス、サポートの提供を通じて、積極的にサポートしていく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

国家公務員共済組合連合会
舞鶴共済病院
病院長
布施 春樹氏

病院名
国家公務員共済組合連合会 舞鶴共済病院
所在地
京都府舞鶴市字浜1035番地
開設
1907年
サイトURL
https://www.kkr.or.jp/hospital/maizuru/
病床数
300床
病院長
布施 春樹

北部京都・福井嶺南地方の急性期基幹病院。先端医療にも積極的に取り組んでおり、2019年には内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ」を府北部地域で初めて導入。将来的には外科、心臓血管分野での活用も視野に。

※病床数の内訳:一般265床、地域包括35床

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