香川県立坂出商業高等学校 様

<教育DX>デジタル人材育成を目指して生徒も教員も実践的スキルを習得。トレーニングサービスを活用してDXハイスクールのICT教育を強化

四国で初めて設置された「情報」に特化した専門学科を擁する香川県立坂出商業高等学校は、文部科学省のDXハイスクールに採択され、情報教育をさらに強化している。その一環として、アライドテレシスの教育支援サービス「Net.Campus」を導入。内容をカスタマイズした専門的なトレーニングにより、生徒は即戦力となるスキルを、教員は教育内容の深化を実現した。(2025年7月公開)

小中高等学校 中国・四国
目 的
運用・管理の効率化 人材育成・社員教育 業務効率の向上
プロダクト・サービス
スイッチ AMF ルーター UTM&VPN Net.Campus
規 模
100~499
課 題
・ネットワークやセキュリティ分野に対応できる指導者と教材不足
・ICT教育を深化させるうえでの実践的スキルの習得機会
・DXハイスクールの要件を満たす専門的な学習環境の整備
採用ポイント
・実習機器とトレーニング一体型の包括的な教育サービス
・要望に沿った内容にカスタマイズされたプログラム
・機器導入から実習環境の構築まで一貫した対応力
効 果
・高度な指導者を育成し教材不足を補完できる実践環境を構築
・生徒は実機演習でデジタル人材としての実践的スキルを習得
・教員は専門分野の理解を深めてデジタル教育の質を向上

地域とともに歩む、実践的ICT教育の拠点

 香川県立坂出商業高等学校(以下、坂出商業)は、商業科と情報技術科の二つの学科を擁し、実践的な教育に力を入れている公立高校。生徒たちは、ビジネス社会・情報社会で活躍する「商業と情報のスペシャリスト」を目指し、校訓「誠実・勤勉・礼節」の精神のもと、日々の学習に取り組んでいる。
 「甲子園にも出場した野球部をはじめ、部活動も教育の一環として力を入れています」と語るのは、情報技術科主任の中筋 健太先生。
 情報技術科は、四国で初めて設置された「情報」に特化した専門学科で、1年次に基礎を学び、2年次からはデジタルクリエイトコースとシステムコースに分かれて専門性を高めていく。座学だけでなく、実習や課題研究を通じて知識と技術の定着を図り、情報を創造する力を育成することで、次世代のICT社会を牽引する人材の育成を目指している。
 また地域課題をテーマとした探究活動にも積極的に取り組んでおり、スプーンとフォークを識別する画像認識AIの開発、自転車防犯システムの構築、観光アプリの制作など、実践的なプロジェクトを展開してきた。

DXハイスクール採択と教育の課題

 そうした中で坂出商業は2024年、文部科学省の「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」に採択された。同事業はICTを活用した探究的な学びと地域連携を通じて、Society5.0時代にふさわしいデジタル人材の育成を目指す取り組みである。
 しかしその実現には、指導者と教材の不足という課題が立ちはだかった。「ネットワークや情報セキュリティなどの分野は、教えられる教員も、教材も非常に少なかったです」と中筋先生は振り返る。
また情報技術科の片岡 早苗先生も、「近年は情報技術を学ぶうえでネットワークの活用は欠かせません」と語る。さらに情報セキュリティインシデントの増加にともない、セキュリティに関する深い学びも不可欠であると言う。「上辺をなぞるだけではなく、実践的な深い学びが必要です」と中筋先生も補足する。
 情報技術科の設置から約20年。坂出商業は時代の変化に合わせて、カリキュラムと授業内容の見直しを続けてきたが、DXハイスクールとしてデジタル人材を育成するためには、さらなる教育内容・教材の強化が必要だった。
 そこで専門性の高いトレーニングサービスの導入を検討し、出会ったのがアライドテレシスの提供する「Net.Campus」である。ICTを活用した探究学習を支援する教育・実習サービスで、ネットワーク機器の手配から据付、設定、LAN工事といった実習環境の整備も一括して提案した点が評価された。
 当時、他社からの提案もあったが、「トレーニングサービスに自社製品をセットで提案してくれるところは他にありませんでした」と言うのは、実習を担当する情報技術科 実習教諭の馬場 悟先生。実際に現場で使われている製品を、そのメーカーの指導の下で触りながら学ぶことができることのメリットを強く感じたと言う。
 入札を経て、最終的にアライドテレシスのトレーニングサービスが採用された。片岡先生は採用理由について、「メーカーとしての質やサポート体制において信頼できると判断しました。なによりトレーニングに対しての熱意がありました。短期間で決定しなければならない中で、実際に技術者派遣を提案してくれたのが良かったです」と振り返り、アライドテレシスへの評価を語った。

フルカスタマイズしたNet.Campusによる実践トレーニング

 トレーニングにあたっては、授業や実習の内容を坂出商業の要望に応える形で、アライドテレシスがフルカスタマイズし、2024年9月から翌年2月にかけて、「ネットワークコース(9日間・全28コマ)」と「セキュリティコース(9日間・全18コマ)」の2つのトレーニングを提供した。受講対象は生徒の希望者および教員で、片岡先生と馬場先生も両コースを受講した。
 ネットワークコースでは、ネットワークの仕組みや構成を理解し、実際の機器を用いた演習を通じて基本的な設定スキルを習得。ネットワーク技術への関心を高める内容となっていた。
 一方、セキュリティコースでは、ファイアウォール機器を用いたハンズオン演習と情報セキュリティ基礎の講義を通じて、ネットワークセキュリティおよび情報セキュリティの基本を学習。修了時には、ファイアウォールの基本設定を一人で行えるスキルを身につけ、セキュリティ分野への関心も深められるよう設計されていた。両コースともトレーニングはオンラインを利用した座学に加え、アライドテレシスが学校に技術者を派遣する対面授業も含まれる。
 両コースを受講した馬場先生は、「現場で実際に働いている技術者が講師を務めてくれた点が非常に良かったです」と評価。実機を用いた演習が他校では得がたい貴重な体験であり、即戦力となる技術を学べたと語る。また、生徒の様子については「ゼロからのスタートでしたが、講師の方々の丁寧な指導と分かりやすい資料のおかげで、操作や設定をしっかりと学んでくれました」と語る。とくにセキュ リティの知識が不足していた生徒にも大きな学びがあったと振り返る。
 片岡先生はNet.Campus導入の効果について、生徒にとって非常に充実した体験であったと言う。「将来、情報工学や情報学部に進学する際には、この体験が他の学生との差となり、有利に働くと感じています」と期待を示し、「講師がプラス思考で、ネットワークの楽しさを伝えてくれたことが非常に良かったです」とも語った。前向きな姿勢を持つ講師から受ける刺激は、生徒たちが将来のキャリアを考えるきっかけにもなったと言う。
 さらに中筋先生は今回のトレーニング導入を振り返り、「成果は徐々に見えてくるでしょう。学習を進めていく中で少しずつ以前との差が出てきたり、『あれを学んだな』とふと思い出したりすることで、今回の体験が学びを深めるきっかけになると思います」と継続的な効果に期待を寄せた。

企業連携による教育の深化と今後の展望

 今回のようなトレーニングサービス採用例は、デジタル人材育成における企業と学校の連携の重要性を示す好例だ。Net.Campusの活用により、生徒は現場で通用する実践的なスキルを身につけ、教員もまた教育内容の質を一段と高めることができたと言える。
 2024年度に続き今年度も坂出商業はDXハイスクールに採択されており、今回の取り組みを礎として、単なるトレーニングにとどまらない、より広範で実践的なデジタル人材育成を今後も継続していく方針である。
 最後に、片岡先生に今後の展望とアライドテレシスへの期待を聞いた。「学んだことは今後も活用し、また機会があればお願いしたい気持ちです。これからも情報提供や提案をいただければ、積極的に検討していきたいと思います」と語った。
 アライドテレシスはこれからも、製品・技術・サポートを通じて、坂出商業のIT課題解決と教育の質的向上を支援し続けていく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

香川県立坂出商業高等学校
情報技術科主任
教諭
中筋 健太氏

香川県立坂出商業高等学校
情報技術科
教諭
片岡 早苗氏

香川県立坂出商業高等学校
情報技術科
実習教諭
馬場 悟氏

学校名
香川県立坂出商業高等学校
所在地
香川県坂出市青葉町1番13号
開校
1914年
代表者
校長 関本 英統
URL
https://www.kagawa-edu.jp/sakash01/

香川県坂出市に位置する、商業科・情報技術科のある公立の商業高校。多様な進路希望に対応する充実したカリキュラム、活発な部活動を支える恵まれた環境、商業・情報・英語などの資格取得に向けた丁寧な指導が特徴。

パートナー企業基本情報

会社名
四国通建株式会社
本社
愛媛県今治市南大門町 1丁目1-15
設立
1945年
代表
代表取締役社長 高木 康弘
URL
https://www.stk.co.jp/

培ってきた経験やノウハウを最大限に生かすとともに、情報化社会を支える技術力をさらに磨き、挑戦し続けることで、安心安全で豊かな地域社会の未来に向け、取り組んでいる。

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