上島町 様
- 目 的
- ネットワークの安定稼働 通信の改善(高速化・帯域強化) 運用・管理の効率化 業務効率の向上
- プロダクト・サービス
- スイッチ VCS AMF
- 規 模
- 5,000~9,999
瀬戸内海国立公園区域に囲まれた、自然豊かな島々
上島町は、愛媛県の東北部、広島県境に位置する瀬戸内海のほぼ中央に浮かぶ25の島からなる町だ。2004年に弓削町、生名村、岩城村、魚島村の4町村が合併し生まれた。瀬戸内海国立公園区域に囲まれ、風光明媚な瀬戸の景勝拠点となっている。「町内2カ所(弓削・岩城)に海の駅を設け、ゆげ海の駅には、海の駅舎「ふらっと」があり、多くのヨットマンと町民の交流の場となっています。
また、町内の各島々を結ぶ橋を「ゆめしま海道」と呼び、サイクリング客の誘致にも努めています」と語るのは、上島町広報情報課情報推進係主査の元森龍太氏だ。観光客専用の自転車船賃無料化なども実施しているという。
若者の教育にも力を入れており、町内の愛媛県立弓削高等学校で公営塾「ゆめしま未来塾」を開催し、同校の生徒に向けて特色ある教育を行っている。「さまざまな施策を実施し、“海と緑と太陽と笑顔で繋がる上島町”の魅力を知ってもらうとともに、観光客や定住していただく方の誘致に取り組んでいます」と上島町弓削総合支所広報情報課主事補の田名後祐士氏は語る。上島町では、合併以前からそれぞれの町村でネットワークを構築し、合併後には4町村を結んで運用、更新を行ってきた。そして2017年度、ネットワークを一から見直し、刷新を実施した。
4つの総合支所でそれぞれ構築されたネットワークを統合
以前のネットワークについて元森氏は、「4町村が合併したときにネットワークを繋げたのですが、そのままの形で繋げたため、各町村でネットワークの構成や機器のベンダー、アドレス体系などもバラバラでした」と振り返る。そのため、運用管理に手が掛かっていたことに加え、保守切れの時期などもバラバラで、中には利用して10年を超える機器もあったと話す。
そこで今回、全体のネットワークを見直すこととした。元森氏は、「ベンダーを統一し、一元管理ができるネットワークが必要でした。さらに、島で離れていますので、何か障害が発生したときにもすぐにベンダーが駆けつけられるわけでもありません。
障害からの素早い復旧を実現できるような仕組みも求めていました」と新たなネットワークに向けての要件を語る。加えて、柔軟性、拡張性の高さも求めたと元森氏。「異動や部署の新設などもありますし、学校セキュリティの強靱化など国の施策によるネットワーク拡張なども今後考えられます。VLANの追加などにも柔軟、容易に対応できることも要件となりました」と元森氏は言う。
選定の結果、採用されたのが株式会社IJCの提案したアライドテレシスのネットワーク機器である。株式会社IJCシステム事業本部SIソリューション部SIソリューション営業課の元山友一朗氏は、「故障時の保守の迅速性を重視して、一元管理ができ、障害の復旧も迅速に行えるアライドテレシスの機器を提案しました」と語る。
AMFにより各総合支所と出先機関の機器を一元管理
今回の新たなネットワークでは、コア・スイッチとしてAMF(Autonomous Management Framework)対応の「SwitchBladex8100シリーズ」を岩城総合支所に導入し、生名総合支所と弓削総合支所に設置された「AT-x930シリーズ」とリング構成を構築。魚島総合支所のAT-x230シリーズへは弓削庁舎からネットワークを結んでいる。
SBx8100シリーズは内部冗長、x930シリーズはVCS(Virtual Chassis Stacking)によるスタック接続で機器の冗長化を図っている。各庁舎内のフロア・スイッチには「CentreCOMAT-x230シリーズ」が設置された。さらに各庁舎からはそれぞれの出先機関へもネットワークが接続されており、これらのネットワーク機器も更新されて、CentreCOM AT-x230シリーズなどが導入されている。
AMFは、複数のネットワーク機器の一括設定や一括アップデート、遠隔地からの管理・設定変更、事前設定不要の機器交換といった運用を可能とするアライドテレシスが独自開発した機能だ。AMFの導入により運用・管理工数とコストの大幅な削減、障害時の自動復旧を実現する。
構築を担当した元山氏は、「AMFの機能などを利用してスムーズに構築できました。コア・スイッチから一元的にエッジ・スイッチの設定をしたり、VLANを設定したりもできますので、便利な機能だと思います」と語る。
AMFにより運用工数の削減と障害時の素早い復旧が可能に
導入はスケジュール通りに完了し、新たなネットワークは無事稼働をスタートした。以来、大きなトラブルは発生していないという。「利用している職員からもとくに不具合の声などは上がっていません。ネットワークを増速しましたので、メールの送受信や共有ファイルの利用などもストレスなくできていると思います」と元森氏は語る。
今回の構築にあたり、庁舎内のネットワークはギガ化し、庁舎同士の接続は10Gbpsに増速している。新ネットワークの導入効果については、「運用管理面でのメリットが大きい」と元森氏。「統合的に管理できるようになったことで工数を削減できています。
万一の際には予備機に差し替えるだけでネットワークを復旧できますので安心して運用できます」と元森氏は語る。従来のネットワークでは各総合支所ごとにIPアドレスの体系も異なっていたが、今回統一したルールに基づき再構成を行い、DHCPサーバーも導入し直したことで管理工数の軽減に繋がっているという。提案から構築、運用にいたるアライドテレシスの支援やサポートについて元山氏は、「迅速で手厚くサポートしてもらっており、とても助かっています」と評価する。アライドテレシスでは松山営業所がIJCと連携して、上島町のネットワークを手厚くサポートしている。
見える化も導入しさらなるネットワークの充実を図る
今回の導入を振り返り元森氏は、「構成もがらりと変わって、運用管理がしやすいネットワークを構築できました。まだ導入したばかりで拡張などはありませんが将来的にはいろいろとあると思いますので、その時には今まで以上にリプレースして良かったと感じられるのではないかと思います」と評価している。
ネットワークの一新を行った上島町では今後もさらなるネットワークの充実を図っていく。近くは、アライドテレシスのネットワーク管理ツールである「AT-Vista Manager EX」の導入を検討中だ。ネットワークの可視化を実現し、万一の時に職員でもすぐに気が付き、対応も素早くできるようにしていきたいと話す。
最後に今後の展望を伺った。「今回の刷新でネットワークの基盤が完成しました。これからはさらに充実させていきたいと思います。無線LANやSDNの導入、セキュリティの強化なども検討していきたいと考えています」と元森氏は語った。アライドテレシスではこれからも、ネットワーク機器や技術、サポートの提供を通じて、上島町のネットワークを積極的に支援していく。
導入ネットワーク構成イメージ図
導入企業基本情報
上島町
広報情報課 情報推進係
主査
元森 龍太氏
- 地域名
- 上島町
- 所在地
- 愛媛県越智郡上島町弓削下弓削210番地
- 面積
- 30.38平方キロメートル(2017年10月1日現在)
- 人口
- 7,077人
- URL
- https://www.town.kamijima.lg.jp/
2004年10月1日に弓削町、生名村、岩城村、魚島村の4町村が合併し、現在の上島町に。愛媛県の北東部、広島県との境に位置し、瀬戸内海のほぼ中央に浮かぶ、上島諸島および魚島群島から構成されている。瀬戸内海特有の多照寡雨の温暖な気候に恵まれ、造船関連産業や漁業などが盛んとなっている。
※人口は、2018年1月1日現在の情報
パートナー企業基本情報
株式会社 IJC
システム事業本部
SIソリューション部
ネットワークソリューション課
課長
村上 誠二氏
- 会社名
- 株式会社 IJC
- 本社所在地
- 愛媛県今治市天保山町二丁目5番地1
- 資本金
- 4,000万円
- 設立
- 1974年
- 従業員数
- 123名(2018年4月1日現在)
- URL
- http://www.ijc-imabari.co.jp/
変化していく情報化社会に対応すべく、時代時代にマッチした高度なネットワークシステムを提供し、皆様方のより良いパートナーとして地域に貢献。