総合病院 三原赤十字病院 様
<医療ICT>障害復旧の負担を軽減し、少人数でも安心・安定運用を実現──常時・災害時の医療継続を支える院内ネットワークへ全面刷新
電子カルテやベッドサイド入力、災害時の医療継続を支える院内ネットワークは、もはや単なる情報システムではなく、診療を止めないための医療基盤となっている。広島県三原市で地域医療の中核を担う三原赤十字病院は、少人数での兼任体制でシステム運用を担うなか、障害時の原因切り分けや復旧対応の負担軽減を課題としていた。こうした課題に対応するため、アライドテレシスを継続採用し、AMF PLUSによる運用・復旧支援やAWCによる無線LAN管理を組み合わせた院内ネットワークへ全面刷新した。医療情報系とインターネット系を分離した安全な構成を維持しながら、地元パートナーとメーカーが連携し、トラブル時にも相談・対応しやすい体制を整えることで、少人数でも安定した運用を継続し、迅速な復旧にもつなげられる医療ネットワークを実現した。(2026年8月公開)
- 目 的
- 病院内Wi-Fiの整備 無線LANの導入 ネットワークの安定稼働 通信の改善(高速化・帯域強化) 運用・管理の効率化 セキュリティの強化 ネットワーク監視の強化 業務効率の向上
- プロダクト・サービス
- 無線LANアクセスポイント AWC スイッチ VCS Vista Managerシリーズ AMF ルーター UTM&VPN
- 規 模
- 100~499
- 課 題
-
■少人数体制での障害対応・復旧負担
■ベッドサイド入力を支える無線LAN環境の安定化
- 採用ポイント
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■復旧作業を簡素化する運用管理技術
■Wi-Fi 6を含めた通信環境の全面刷新
- 効 果
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■障害復旧作業の簡素化により運用負担を軽減
■安定した無線LAN環境で業務効率化を実現
障害発生の経験から見えた、地元密着の支援体制の重要性
広島県三原市に位置する三原赤十字病院は、地域医療の中核を担う総合病院であり、地域災害拠点病院にも指定されている。南海トラフ地震などの大規模災害時を想定し、BCP(事業継続計画)の策定や訓練にも注力するなど、災害時にも医療を継続できる体制づくりを進めている。そうした医療体制を支えるうえで欠かせないのが、電子カルテなどの院内システムを安定して利用できるネットワークだ。
セキュリティ確保のため、電子カルテなどを扱う「医療情報系」と、外部との連絡に用いる「インターネット系」のネットワークは物理的に分離されている。インターネット系が止まれば外部との連絡や情報共有に支障が生じ、医療情報系が止まれば電子カルテが利用できず、診療業務に大きな影響が及ぶ。
過去には、インターネット系ネットワークが約2日間停止する障害を経験したこともあった。当時から専任のシステム管理者はおらず、総務・人事・企画などを兼務する2名が担う体制だった。そのため、トラブル時の素早い原因切り分けは容易ではなく、年1回の計画停電からの復電時に機器故障を招きやすいという運用上の課題もあった。
こうした経験を踏まえ、同病院が重視したのは、トラブル時にすぐに相談でき、必要に応じて現場へ駆けつけられる「顔が見える支援体制」だった。総務課長としてシステム管理を担当し、DMAT隊員でもある村﨑 茂一氏は、当時をこう振り返る。
「トラブル発生時、遠方からのサポートでは対応に時間がかかります。顔が見える関係の担当者が地元にいないと難しいと痛感しました」。
そこで約10年前のネットワーク更新ではアライドテレシスを採用し、地元・三原市で電気通信工事を手がける株式会社TRCワークシステムを一次窓口とする体制へ移行した。
「何かあればすぐに技術者が駆けつける地元の窓口と、機器を熟知したメーカーのバックアップ体制があるのは非常に安心です」(村﨑氏)
こうした長年の信頼関係と支援体制への安心感が、今回の全面刷新におけるアライドテレシスの継続採用につながった。
医療業務への影響を抑え、フロアごとに進めたネットワーク刷新
今回のネットワーク更新では、医療情報系とインターネット系それぞれの中核となるコア・スイッチを刷新し、各フロアのスイッチや無線LAN環境まで含めて院内ネットワーク全体を見直した。中核にはシャーシ型コア・スイッチ「AT-SBx908 GEN2」を採用し、各フロアには「x230シリーズ」などのスイッチを配置。あわせて、AMF PLUSによる運用・復旧支援、「VST-APLシリーズ」による統合管理、AWCによる無線LAN管理を組み合わせ、病棟や救急処置室などで利用されるWi-Fi環境もWi-Fi 6対応無線LANアクセスポイントへ更新している。
有線/無線の一元的な管理ができ、かつ医療現場での利用が増える多様な端末が今後増加していったとしても、利用範囲の拡大に対応しやすい構成とした。
病院では、診療時間中にネットワークを止めることが難しいため、切り替え作業には慎重な計画が求められる。今回の構築では、病院側が現場調整を担い、TRCワークシステムが現場の窓口として施工・対応を進め、アライドテレシスがメーカーとして技術面を支援する形で進行した。
実際の切り替え作業では、村﨑氏が中心となってフロアごとに緻密にスケジュールを調整。その指示のもと、TRCワークシステムとアライドテレシスが分担して作業を進めた。夜間や土日の昼間などを利用した計画的な切り替えにより、医療業務を止めることなく、大きなトラブルもなく新しいネットワークへの移行を完了させた。
現在、医療情報系ネットワークにはデスクトップPCやノートPCなど約200台、インターネット系には約100台の端末が接続されている。平日の午前中などアクセスが集中する時間帯でも、以前見られた原因不明の通信エラーや遅延は発生しておらず、安定した稼働を続けている。
AMF PLUSが支える復旧作業の負担軽減。少人数体制でも抱え込まない運用へ
新しいネットワークは、日々の診療業務を安定して支えている。一方で、病院ネットワークには、障害が発生したときに短時間での復旧が求められる。少人数で院内システムを支える現場にとって、今回のネットワーク刷新で特に大きな意味を持つのが、AMF PLUSによる運用・復旧支援だ。
従来、スイッチが故障した場合、予備機を用意しても、機器ごとの設定を確認し、交換機に適用する作業が必要だった。専任の情報システム部門があるわけではないため、総務・人事・企画などの業務と兼務しながらシステム管理を担う現場では、障害時の設定復旧は大きな負担となっていた。
AMF PLUSはネットワーク機器の設定情報を管理し、機器交換時の復旧作業を支援できる。万一スイッチが故障した場合でも、交換機器へ設定を適用する手順を簡素化できるため、現場での初動対応が進めやすくなる。
村﨑氏は、同じ赤十字病院の医療情報システム担当者との情報交換を通じて、AMF PLUSの有用性について聞いていたという。「以前は、予備のスイッチを取り付けても、そこから設定し直さなければなりませんでした。今は、故障した機器を送って、戻ってきた機器をTRCワークシステムの技術者が取り付ければ復旧できる。これは本当にすごいことです」。
こうした復旧手順が明確になっていることは、単なる機能面のメリットにとどまらない。障害発生時に何を確認し、誰に相談し、どの手順で復旧へ進めるのかを共有できていること自体が、少人数の運用体制にとって大きな安心材料となる。
障害時にはまず地元の窓口であるTRCワークシステムに相談し、必要に応じてアライドテレシスが技術面で支援する流れが定着している。AMF PLUSによる復旧支援と、現場対応に強い地元パートナー、メーカーの技術支援が組み合わさることで、病院側だけで対応を抱え込まずに済む体制が整っている。
安定運用を土台に、医療現場の変化と災害対応を支える
今回刷新したネットワークは、日々の診療現場における情報の確認・記録を支えている。たとえば病棟では、看護師がノートPCを使い、患者のベッドサイドで電子カルテへ情報を入力している。患者のそばで必要な情報を確認・記録できる環境は、医療現場の業務効率と正確な情報共有を支えるうえで重要となる。その土台となるのが医療情報系ネットワークへ安定して接続できる無線LAN環境だ。
Wi-Fiは、医師や看護師など職員の業務利用を目的に、病棟や救急処置室、処置を行うエリアなどへ展開され、医療スタッフが必要な情報をその場で確認・記録できる環境を支えている。令和4年4月に三菱三原病院と統合した際に継承した歯科口腔外科でも、写真データの活用などで無線LANの活用が広がっている。
日常診療を支えるネットワークは、災害時の医療継続やセキュリティ対策の面でも、今後さらに重要性を増していく。今後は、日赤本社医療事業推進本部や近隣の赤十字病院とも情報交換しながら、医療を継続するために必要な対策を検討していく考えだ。
アライドテレシスは今後も、ネットワーク製品だけではなく技術支援、地元パートナーとの連携を通じて、三原赤十字病院の安定した医療提供を支えるとともに、変化する医療現場や災害対応に応えるネットワーク基盤づくりを支援していく。
導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

総合病院 三原赤十字病院
事務部 総務課長
村﨑 茂一氏
- 病院名
- 総合病院 三原赤十字病院
- 所在地
- 広島県三原市東町2丁目7番1号
- 院長
- 上山 聰
- 病床数
- 184床
- 標榜診療科目
- 21科
- 開設
- 1949年(三原市立三原中央病院として開院)
- URL
- http://mihara.jrc.or.jp/
広島県三原市に位置する三原赤十字病院は、地域医療を支える基幹病院である。1949年に市立病院として開院後、1952年に日本赤十字社へ移管され発足した。内科から外科、小児科、産婦人科まで計21の幅広い診療科目を備えている。急性期医療や救急医療を中心に担い、地域住民の健康を守る総合的な医療機関である。
※病床の内訳:一般病床 184床(うち地域包括ケア病棟91床)
パートナー企業基本情報

株式会社TRCワークシステム
代表取締役社長
小林 春道氏
- 会社名
- 株式会社TRCワークシステム
- URL
- https://trc-ws.co.jp/
株式会社TRCワークシステムは、広島県三原市に本社を置き、電気設備工事や電気通信工事などを手がける企業。1988年の創業以来、備後地域を中心に、地域の施設・企業の設備インフラを支え、安全で安心な環境づくりに貢献している。





