医療法人社団 慈全会 那須高原病院 様
- 目 的
- 病院内Wi-Fiの整備 無線LANの導入 ネットワークの安定稼働 運用・管理の効率化 セキュリティの強化 ネットワーク監視の強化 運用・管理・監視を外部委託 業務効率の向上
- プロダクト・サービス
- 無線LANアクセスポイント AWC スイッチ VCS Net.AMF ルーター Net.Monitor アライド光
- 規 模
- 100~499
電子カルテシステムを導入するにあたりネットワークを刷新
医療法人社団 慈全会 那須高原病院は、栃木県の北部、那須郡那須町に位置する、県の指定病院だ。精神科を中心に内科や呼吸器科、皮膚科、神経内科を標榜し、321床(精神一般病棟51床、精神療養病棟270床)の病床を有する。
「矢板の佐藤病院や大田原の室井病院とも連携しながら、地域に根差した医療の提供に注力しています」と話すのは、医療法人社団慈全会 那須高原病院 事務部長補佐の君島 司氏だ。地域の医療機関と積極的に連携を図り精神科医療を提供していると話す。
那須高原病院では従来オーダリングシステムは導入していたものの、利用していたのは外来部門(外来看護師、診察室、薬局、医事課)に留まり、そのネットワークについても多少の問題があったという。
「当時のオーダリングシステムのために敷設されたネットワークは病院の一部、外来部門だけで利用しており、保守についてもあまり考えられているとは言えない状態でした。システムのOS保守終了にともない、電子カルテシステムを導入して、ネットワークについても一から見直しをすることに決めました」と君島氏は振り返る。
運用・保守も見据えたネットワークを要望
新しい電子カルテシステムのためのネットワークは、外来部門だけでなく、入院病棟なども含めての検討が始まった。「せっかく電子カルテシステム用にネットワークを導入するならば、インターネットも活用していきたいという要望を要件として挙げました。ただ、電子カルテシステムはクローズなネットワークにして、インターネット系のネットワークを別に構築するのではコストも手間も掛かってしまいます。そこでネットワークは物理的に一つにしたいと考えていました」と君島氏。
無線LANについてはこれまでに導入したことはあるものの、電波干渉などによりほとんど利用できなかった。今回は電子カルテシステムを導入するということで、ナースステーションを中心に電子カルテシステム端末の利用を視野に入れ検討した。
運用についても、これまでのネットワークにあまり保守のことを想定していなかったこともあり、保守を手厚くするようにと要望を上げた。栃木県北部は落雷が多いことでも知られており、停電や瞬断が起きることも少なくない。そうした際に対応を相談する、あるいはすぐに復旧できるようにしたいと考えていたのだ。
複数のベンダーに相談し、提案を受け、最終的に導入を決めたのが、アライドテレシスのネットワークソリューションである。
Net.AMFで有線/無線LANの一元管理と運用支援を導入
アライドテレシスでは、まずネットワークについて、電子カルテシステム系とインターネット系(業務系)をVLANで論理的に分割することを提案。一つのネットワークで電子カルテシステムを安全に使いつつ、インターネットも利用できる仕組みだ。
新しいネットワークの構成は、コア・スイッチにユニファイドマネージメント・スタッカブルスイッチ「CentreCOM x530シリーズ」を、VCS(バーチャルシャーシスタック)機能で冗長化して設置。フロア・スイッチは「CentreCOM x530Lシリーズ」、エッジ・スイッチには「CentreCOM x230シリーズ」を、無線LANアクセスポイントには「AT-TQm5403」を導入した。
さらに、ネットワークの運用を支援する「Net.AMF」も同時に導入している。Net.AMFは、ITインフラ管理機能をサービスとして提供、ITインフラの運用管理の簡素化に加え、リモート監視・予兆検知による障害・トラブルの未然防止や早期復旧など、お客様のITインフラの安定運用をトータルに支援するサービスだ。今回の導入では「Net.AMFライト45」のプランに加入しており、同院のネットワーク運用をアライドテレシスの監視センターが24時間365日支援している。
なおNet.AMFライト45では、VPNアクセスルーターとしてATAR4050Sが機器貸出されている。同機器には、AMF(Autonomous Management Framework)とAWC(Autonomous Wave Control)が搭載され、機能の利用が可能だ。
なお、AMFは、複数のネットワーク機器の一括設定や一括アップデート、遠隔地からの管理・設定変更、事前設定不要の機器交換といった運用を可能とする機能で、AWCは無線LANアクセスポイントをインテリジェント化し、チャンネルや電波出力を自律的に調整して、無線エリア内の電波干渉が最小化された無線LAN環境を自動的に構築する機能だ。
ネットワークは安定して稼働、安心感をもって運用可能に
これらソリューションを評価し、アライドテレシスの採用を決め、2020年1月にはネットワークの構築がスタート。同3月2日は電子カルテシステムとともに新たなネットワークも正式に稼働がスタートした。
ネットワークの導入工事については短期間ということもあって、君島氏の方で建物の図面をあらかじめ精査して、図面には載っていないところなどをチェックし、調査期間の短縮に協力したという。また無線LANの用途や利用頻度などを検討し、詳細なサーベイ(事前
調査)も行い、無線LANアクセスポイントの調整も行っている。
新しいネットワークは稼働を開始して以来、大きな問題もなく安定している。「とくに故障などの大きな不具合もなく、快適に利用できています」と君島氏。無線LAN環境についても、AWCの自律的な電波調整機能により、利用している職員からの不満などの声もなく、安定して利用できているという。
Net.AMFでは、落雷による停電や変電所のトラブルにより何度かアライドテレシスの監視センターから連絡を受けているものの、機器のトラブルなど院内のネットワークによるものではないため、問題は発生していないと話す。「細かくご連絡いただけていますので、安心感をもって運用できています」と君島氏。また現在まで大きな拡張や設定変更などはないものの、機器の追加要望などもあることから、今後はLANの追加工事などが発生する可能性もある。しかし、こうした追加、拡張についてもアライドテレシスが支えてくれると考えると安心できると話す。
提案から構築、運用までアライドテレシスを高く評価
電子カルテシステムの導入およびネットワーク刷新を終え、現在は安定した運用フェーズに入っている那須高原病院。アライドテレシスについては、「提案から構築、運用に入っての支援まで、細かく対応してもらい、不明な点などがある際には丁寧に教えてもらっています。私としては欠かせないパートナーと思っています」と君島氏は高く評価している。
那須高原病院では今後もネットワークを活用していくが、いくつか懸念点もあり、今後の検討課題となっている。その一つがセキュリティ面で、電子カルテシステムのネットワークはVLANで分割してクローズドな構成で運用しているものの、利用端末のセキュリティなどを含めた懸念点について今後も検討を行っていく。そして新型コロナウイルスの流行による影響についても懸念はあると話す。
「新型コロナウイルスの流行により、先生や職員からWeb会議システムを利用したいといった声も上がってきています。この新しいネットワークはあくまで電子カルテシステムをメインにしているので、Web会議システムにより遅くなってしまっては困ります。現在は注視している段階ですが、影響があれば工事なども検討する必要があると思います」と君島氏は語った。
アライドテレシスではこれからも、那須高原病院のネットワークを、機器やサービス、サポートなどの提供を通じて積極的に支援していく。
導入ネットワーク構成イメージ図
導入企業基本情報
医療法人 慈全会
那須高原病院
事務部長補佐
君島 司氏
- 病院名
- 医療法人社団 慈全会 那須高原病院
- 所在地
- 栃木県那須郡那須町高久甲375
- 開設
- 1963年
- 病院長
- 高野 謙二
- 病院床
- 321床
- URL
- https://nasukougen-hp.com/
精神科を中心に内科、呼吸器科、皮膚科、神経内科で診療を提供。近隣の医療機関である、菅間記念病院をはじめ那須赤十字病院や国際医療福祉大学、那須脳神経外科とも協力をして診療に当たっており、地域の医療に役立てることを目指す。
※病床数の内訳:精神一般病棟51床・精神療養病棟270床