杉田玄白記念 公立小浜病院 様
- 目 的
- 病院内Wi-Fiの整備 リモートアクセス回線集約 無線LANの導入 ネットワークの安定稼働 運用・管理の効率化 セキュリティの強化 ネットワーク監視の強化 運用・管理・監視を外部委託 業務効率の向上
- プロダクト・サービス
- 無線LANアクセスポイント AWC スイッチ VCS Vista Managerシリーズ AMF UTM&VPN Net.Monitor
- 規 模
- 100~499
- 課 題
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■老朽化による通信トラブル
■少人数体制での障害対応
■保守回線の管理負荷
- 採用ポイント
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■ネットワークの可視化と統合管理
■迅速な障害切り分け
■保守回線の集約
- 効 果
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■原因特定時間を10分の1以下に短縮
■障害対応時間を大幅削減
■管理性とセキュリティを向上
若狭地域の医療を支える中核病院、老朽化した院内ネットワークを刷新
杉田玄白記念 公立小浜病院は、1883年に県立小浜病院として開設された、福井県嶺南・若狭地域の中核病院である。救命救急センターを備え、災害医療、へき地医療、精神医療、療養医療など、地域の幅広い医療ニーズに応えてきた。
453床を有し、電子カルテ端末だけでも約500台が稼働している。加えて、各種医療情報機器や部門システムもネットワークに接続されており、通信の不具合は診療業務に多大な影響を及ぼす。一方で、情報基盤を管理する情報システム担当者は実質2名に限られていた。
「医療では患者さんへの影響が出ます。いかに早く原因を突き止め、改善するかが重要でした」と、前任の担当者である中嶋 和博氏は振り返る。
以前のネットワークは、2014年の電子カルテシステムの導入に合わせて構築されたものだった。その後、電子カルテへの移行後も長年にわたり利用されてきたが、経年とともにスイッチやポートの故障が目立つようになり、部分的な通信障害が発生することもあった。障害状況を一元的に確認できる仕組みがなかったため、担当者が現場へ出向き、機器や配線を確認しながら原因を切り分ける必要があった。
無線LANについても、場所や端末によって接続しにくいケースがあった。さらに、医療機器ベンダーなどが利用するリモート保守回線は部門ごとに設置されており、情報システム担当者が全体像を把握しにくい状況だった。こうした課題を受け、電子カルテシステムの更新を機に院内ネットワークの刷新を決断。少人数でも安定的に運用でき、障害時にも迅速に対応できる環境を目指した。
可視化と統合管理で、少人数でも迅速に対応できる運用へ
現在、院内のネットワークは、アライドテレシスのソリューションを基盤とした統合管理環境へ刷新されている。まず無線LANには電波環境の自立最適化を実現する「AWC(Autonomous Wave Control)」を採用し、ネットワーク機器の一元管理には「AMF(Autonomous Management Framework)」を、ネットワーク全体の状態の可視化に「Vista Manager EX」を用いている。こうした統合管理基盤により、有線/無線を含めた院内ネットワークの状態を把握しやすくなった。加えて、遠隔監視サービス「Net.Monitor」による日常的な監視体制も整備。ネットワークの異常や機器の状態を継続的に監視できる環境を実現している。
効果が大きかったのは、障害原因の切り分け時間の短縮である。以前は、LANポートの差し間違いによるループ障害が発生した際でも、担当者が現場を確認して回る必要があった。
「現在は、現場へ行く前にVista Manager EXの画面上で状況を確認でき、ネットワーク起因かどうかを迅速に切り分けられるようになりました。あくまで感覚的な数値ですが、問題特定にかかる時間は、以前の10分の1以下に短縮されました」と医療サービス課の宮田 義明氏は語る。
以前の環境では、金曜日の夕方や月曜日の朝にネットワークトラブルが発生することも多く、時間外対応や残業につながっていた。現在では、可視化と基盤が安定したことで、ネットワーク起因の時間外対応はほぼゼロになっているという。
また、コア・スイッチ「AT-SBx908 GEN2」にはアライドテレシス独自のVCS(Virtual Chassis Stacking)機能を活用した冗長構成を採用している。導入後は大きなネットワーク停止や通信障害もなく、医療現場に求められる安定したネットワーク運用を支えている。
その効果は、病院特有の法定点検に伴う計画停電時にも表れている。同院では復電後もトラブルなくシステムが立ち上がり、安定した運用を継続できているという。
「いくら手厚い保守に入っていても、そもそも壊れにくいという安心感が一番大きいです」と医療サービス課の小畑 和紀氏は評価する。万一スイッチが故障した場合でも、AMFのオートリカバリー機能により、代替機に接続するだけで設定が自動復旧できる。1分も止められない医療現場において、こうした復旧性の高さも大きな安心材料となっている。
分散していたリモート保守回線を集約し、外部接続の管理性を向上
日常のネットワーク運用の安定化に加え、外部からのリモート保守接続の見直しにも取り組んだ。なかでも高く評価しているのが、「リモメンパック」を活用した外部接続の管理強化である。
リモメンパックは、医療機器や部門システムの保守で利用されるリモート接続を集約し、接続状況を把握・管理しやすくする仕組みだ。医療機関を標的としたサイバー攻撃への備えが重要性を増す中、院内ネットワークへ安全に接続するリモート保守環境の整備は、大きな課題となっていた。
導入前の同院では、医療機器や部門システムのベンダーごとに、リモート保守用の通信回線やルーターが個別に設置されていた。中嶋氏は「以前は自分たちが導入したシステムについては把握していましたが、サーバールーム内に見知らぬルーターが置かれていることもあり、いつ、どこから、どの機器に接続されているのか、情報システム担当者として全体を把握しきれていませんでした」と明かす。
そこで、個別に敷設されていたリモート保守回線を、リモメンパックによって段階的に集約している。外部接続を一元的に管理できる範囲を広げることで、情報システム部門が接続状況を把握しやすい環境を整えつつある。「回線をある程度集約して、こちらで状況を把握できるようになったことは、今回の導入の大きな決め手になりました」と中嶋氏は語る。
すべてのリモート接続を遮断するのではなく、必要な接続を安全な経路に整理し、情報システム部が把握・管理できる状態へと整備していく。こうした取り組みは、日常の保守運用だけでなく、医療機関に求められるセキュリティ対策の強化にもつながっている。
医療DXとAI活用を支える安定した情報基盤
今回のネットワーク刷新により、日々の診療を支える情報基盤の安定性と運用性は大きく高まった。今後は、この基盤を土台に、次代の医療DXを見据えた取り組みも進めていく考えだ。現在はまだ検討段階ではあるが、医療従事者の業務負担を軽減するためのAI活用も視野に入れている。AIを利用した問診や、診察時の医師と患者の会話を要約して電子カルテへ入力する仕組み、看護記録へのAI活用などがその一例だ。
こうした新たな技術を医療現場で安全かつ安定的に活用するためには、その土台となる強固なネットワーク基盤が欠かせない。少人数でも運用しやすく、障害時にも迅速に状況を把握できる環境が整ったことで、同院では将来の医療DXやAI活用を支える基盤づくりが進んでいる。
杉田玄白記念 公立小浜病院はこれからも、安定した情報インフラをもとに、医療従事者の負担軽減と地域医療のさらなる充実を目指していく。
導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

杉田玄白記念 公立小浜病院
医療サービス課 係長
宮田 義明氏

医療サービス課 係長
小畑 和紀氏

経営企画課 課長補佐
中嶋 和博氏
- 病院名
- 杉田玄白記念 公立小浜病院
- 所在地
- 福井県小浜市大手町2番2号
- 院長
- 菅野 元喜
- 病床数
- 453床
- 標榜診療科目
- 21科
- 開設
- 1883年(県立小浜病院として開設)
- URL
- https://obamahp-wakasa.jp/hospital/
1883年に県立小浜病院として開設された、福井県嶺南・若狭地域の中核病院。453床・21診療科を備え、救命救急センター、災害拠点病院、へき地医療拠点病院、地域周産期母子医療センターなどの役割を担う。看護学院や介護老人保健施設も併設し、救急から急性期、療養、精神、介護、人材育成まで幅広く地域医療を支えている。
※病床の内訳:453床(一般296床、療養50床、結核5床、感染症2床、精神100床)






