第40回全国選抜高校テニス大会 様
アライドテレシスの多彩なネットワークソリューションにより、 大規模スポーツイベントに最適な無線LAN環境を実現
アライドテレシスは、2018年3月に開催された全国選抜高校テニス大会において、無線LANおよびその基盤となるネットワークを提供した。ネットワークを一元管理できる「AMF」、自律型無線LAN「AWC」、セキュリティ強化を実現する「SES(現:AMF-SEC)」、運用支援サービス「Net.Monitor」など、さまざまなアライドテレシスの機器・機能及びサービスにより、大規模なスポーツイベントにおいても、安定・快適に利用できる無線LAN環境を構築した。(2018年4月公開)
- 目 的
- 無線LANの導入 ネットワークの安定稼働 クラウドサービスの利活用 運用・管理の効率化 セキュリティの強化 ネットワーク監視の強化 運用・管理・監視を外部委託 公衆向けフリーWi-Fiの整備 業務効率の向上
- プロダクト・サービス
- 無線LANアクセスポイント 屋外無線LANアクセスポイント AWC スイッチ Net.AMF AMF-SEC ルーター UTM&VPN Net.Monitor
- 規 模
- その他
大会の進行管理にネットワークを活用
全国選抜高校テニス大会は、インターハイ(全国高等学校総合体育大会テニス競技大会)、国体(国民体育大会テニス競技)と並ぶ高校テニス3大大会の1つ。都道府県大会から地区大会を勝ち抜いた男女各48校が選抜され、個人戦と団体戦が行われる。なお、個人戦の優勝者は全米オープン(USOpen)のジュニアシングルス部門に派遣される。2018年の第40回大会は記念大会と位置付けられ、例年よりも多い男女各56校の代表が選抜された。
オリジナルの大会テーマソングが作られ、また、会場となった博多の森テニス競技場では多くのワークショップやキッチンカーが並び、トークショーやテニス教室なども開催。博多駅のイベントスペースにも選抜特設サテライトが設営されるなど、40回記念に相応しいイベント色豊かな大会となった。アライドテレシスでは今回、全国選抜高校テニス大会が行われた2つの会場(博多の森テニス競技場、春日公園テニスコート)において、無線LANおよびその基盤となるネットワークを提供した。
全国選抜高校テニス大会ではこれまで無線LANなどを導入したことはなく、今回が初めての試みとなった。その狙いについて、実行委員会アドバイザーである株式会社TBSサービスの木脇真文氏は次のように語る。「これまでの48校とは異なり、今回は記念大会ということで56校と大会の規模が大きくなっており、試合数も増えています。従来は試合経過を手作業でボードに書くなどして共有していましたが、それでは追い付きません。全体の進行管理のため、ITを活用した試合経過共有システムを導入することになったのですが、それには無線LANが必要でした」と木脇氏。
「Net.AMF」でインターネットを介してクラウドより複数拠点を統合管理
各コートで行われる試合のスコアをリアルタイムで本部に共有するため、2,3コートに1名いるコートレフェリーが、試合経過をクラウド上の試合経過共有システムにアクセスして登録する。登録はタブレット端末を利用するため、すべてのコートをカバーする無線LANが必要となった。あわせて、公共Wi-Fiを設置して会場運用関係者にもインターネット接続環境を提供することとなった。
「以前にもお付き合いがあったアライドテレシスに相談をしまして、ネットワークをお願いすることとなりました。ネットワークの設計から、大会実施中のサポートまで手厚く支援いただきました」と木脇氏は語る。ネットワークの構成としては、博多の森テニス競技場にコア・スイッチ「CentreCOM x930シリーズ」を設置。両会場にはルーター「AT-AR4050S」やPoE+対応の「Centre COMx230シリーズ」が導入された。無線LANアクセスポイント(AP)にはIEEE802.11ac対応屋外用無線LANAP「AT-TQ4400e」が各コートをカバーする形で設置。APは安全性を考慮して3m程度のパイプを仮設してその上に取り付けられた。なお今回、試合経過共有システムのネットワークと公共Wi-Fi用のネットワークは論理的に分離していて、公共Wi-Fiについては一部エリア(博多の森会場の休憩スペースなど)に絞って無線のインターネット環境を提供した。
これらネットワーク機器はアライドテレシスの「AMF(Autonomous Management Framework)」によって一元管理された。AMFは、多数のネットワーク機器の一括設定や一括アップグレード、遠隔地からの管理・設定変更、機器交換時の事前設定不要といった運用を可能とするアライドテレシスの独自機能だ。運用管理工数、コストの大幅な削減が可能となる。スイッチおよびAPに万一障害が発生した場合には、AMFにより予備機に交換するだけで迅速にネットワークを復旧することができる。今回の大会では、AMFコントローラーをバーチャルアプライアンスとしてクラウド上に置く「AMF Cloud」を利用している。これにより離れた両会場の機器を効率的に一元管理した。
「AWC」と「SES」により、快適かつ安全な無線LAN環境を構築
無線LANの管理には、マネージメント・ソフトウェア「AT-Vista Manager EX」に搭載されている「AWC(Autonomous Wave Control)」機能を活用した。AWCは、アライドテレシスが産学連携の共同研究の成果に基づき開発した自律型無線LANソリューションだ。最適な無線LAN利用環境を自律的に実現する。なお、AT-Vista Manager EXもAMF同様、クラウド上に導入され、両会場の無線LANAPを一元管理した。
会場は屋外かつ福岡空港から近く、空港の気象レーダーやモバイルルーターなどによる干渉を受けやすいため、AWCが電波出力やチャンネルの調整を自律的に行うことで、快適な無線LAN環境を実現することができた。加えて、セキュリティ強化のため、アライドテレシスの「Secure Enterprise SDN(SES)」ソリューションも採用されている。SESは、各種アプリケーションと連動し、ユーザー端末への仮想ネットワークの自動形成や、ふるまい検知などのセキュリティ強化機能による運用の高効率化をOpenFlow/SDN技術で提供する。
今回の導入では、UTM製品との連携により、侵入防止やWebフィルタリングなどの機能で検出したマルウェア感染端末の通信をエッジスイッチで遮断・隔離し、マルウェアの拡散を防止するといった機能を実現した。SESコントローラーであるAT-SESC(Secure Enterprise SDN Controller)についてもクラウド上に設置。AMFアプリケーションプロキシー機能を利用して、AMFメンバーに対するアクセス制御を可能とした。
運用をアライドテレシスが全面的に支援
運用についても、ネットワーク統合管理サービス「Net.AMF」により、アライドテレシスが全面的に支援を行った。Net.AMFは、ネットワークの一元管理や自動復旧、自律型無線LANによるネットワーク制御を実現可能な管理機能を提供するサービス。
AMFによるネットワークの統合管理に加えて、「Net.Monitor」によるリモート監視や予兆検出などの運用支援サービスを組み合わせたもので、ネットワークの安定運用を支援する。今回はNet.AMFによる統合管理、遠隔監視に加えて、大会期間中は現地にもスタッフを配置し、万一の際に迅速な対応が可能な体制を構築した。こうした屋外での大規模無線LAN環境の構築、運用は過去にもあまり例がなかったため、アライドテレシスではさまざまな技術を投入して万全の体制で大会に挑んだ。
その結果、トラブルなく大会終了まで無事にネットワークを運用することができた。無線LANや公共Wi-Fiが繋がりにくいといった声も聞かれず、アライドテレシスの機器および機能がしっかりと役割を果たしたと言える。木脇氏は、「今回初めて試合経過共有システムを導入し、こうしてITを活用することの便利さを実感することができました。安定したネットワークを利用できたのはアライドテレシスのおかげです」と評価している。
アライドテレシスでは、今後も大規模スポーツイベントなどにおいても、安定し、快適な無線LAN環境、ネットワークを設計、構築、運用していく。
導入ネットワーク構成イメージ図
導入企業基本情報
- イベント名
- 第40回全国選抜高校テニス大会
- 日程
- 2018年3月20日~ 3月26日
- 会場
- 博多の森テニス競技場、 福岡県営春日公園テニスコート
- 主催
- (公財)日本テニス協会、 (公財)全国高等学校体育連盟
- 主管
- 全国選抜高校テニス大会実行委員会
- URL
- http://senbatsutennis.com/
パートナー企業基本情報
株式会社TBSサービス
プランナー
プロデューサー
木脇 真文氏
- 会社名
- 株式会社TBSサービス
- 本社所在地
- 東京都港区赤坂五丁目3番6号 TBS放送センター18階
- 設立
- 1953年
- 代表者
- 代表取締役社長 藤田 徹也
- URL
- https://www.tbss.co.jp/
イベント・映像およびエンタテインメントの企画・制作・運営、印刷関連業務、出版、コンテンツ流通、放送関連技術など、TBSグループにおいて映像、文化事業部門を支える。