第43回全国選抜高校テニス大会 様
- 目 的
- 無線LANの導入 ネットワークの安定稼働 運用・管理の効率化 業務効率の向上
- プロダクト・サービス
- 無線LANアクセスポイント 屋外無線LANアクセスポイント AWC AWC-SC スイッチ Vista Managerシリーズ ルーター
- 規 模
- その他
電子化により非接触を推進する大規模スポーツイベント
第43回全国選抜高校テニス大会(主催:日本テニス協会、全国高等学校体育連盟)が、2021年3月20日から26日の7日間、福岡県福岡市の博多の森テニス競技場および福岡県営春日公園テニスコートで開催された。
毎年3月に開催されるこの大会は、全国高等学校総合体育大会テニス競技大会と並ぶ、高校テニス界における2大大会として位置付けられている。全国の各地区予選を勝ち抜いた男女46校と選考委員会の推薦で出場する男女各2校が、男女団体戦、個人戦を争う。
2020年は新型コロナウィルスの影響により中止となったが、2021年は感染拡大対策を実施した上での開催となった。感染拡大防止については全国選抜高校テニス大会の実行委員会事務局から詳細な対策が文書で配布され、参加する選手、関係者に徹底されるとともに、観戦者を事前登録制、出場選手の保護者のみと限定した。感染者を出さないための万全な取り組みだ。
大会実行委員会のアドバイザー、株式会社TBSグロウディア イベントラジオ事業本部 企画営業事業部 バイススペシャリストの木脇 真文氏は、「日本テニス協会からコロナ禍における大会運営のガイドラインが出ており、その中でも“できる限りの電子化を図るよう”通達されています。今回全てを達成することはできませんでしたが、全ての電子化に向けての第一歩となったと思います」と語る。
アライドテレシスはブロンズパートナーとして全国選抜高校テニス大会を協賛し、電子化の基盤となる会場のネットワーク環境構築を支援している。
試合経過の情報共有とコミュニケーションにネットワークを活用
アライドテレシスが全国選抜高校テニス大会のネットワーク構築支援を始めたのは2018年。それまでは試合経過をホワイトボードに書き込むなど、手作業による情報共有が行われていた。しかし2018年は記念大会で通常よりも出場校が多く、手作業では難しいということもあって、ITを活用した試合経過共有システムを導入することとなった。その基盤となるネットワークの構築を支援したのがアライドテレシスだ。以来、全国選抜高校テニス大会のネットワークはアライドテレシスが担っている。
「以前からお付き合いがあったアライドテレシスに相談をしまして、ネットワークをお願いしています。ネットワークの設計から、大会実施中のサポートまで手厚く支援いただいています」と語る。
具体的には、試合情報をリアルタイムに共有するためのコミュニケーションアプリを利用して、各会場の進行状況などを共有。事務局本部に集められた情報が大きなディスプレイに一覧で表示され、事務局ではその情報をもとに次の試合は何番コートで何時スタート、といった指示を出して、コートを無駄なく利用し、大会運営をスムーズに回していくことができている。
会場は博多の森テニス競技場だけでなく、車で30分ほど移動しなくてはならない春日公園テニスコートでも予選が行われるため、素早い情報共有が必要となるのだ。
「アナログでなければ難しいこともあります。例えばオーダー表の提出など、間違いが失格に繋がってしまうようなことは電子化しづらい面もあります。ですがそれ以外の情報サービスについてはだいぶ進んでいると思います。コミュニケーションアプリで次の試合のコート番号やスタート時間を各校にお伝えするというのは今年初めての取り組みです」と木脇氏。
試合経過の共有だけでなく、各校の監督とのコミュニケーションなどにもネットワークは利用されており、例えば大会開始時に行う監督会議もネットワークを利用してリモートで開催された。こうしたリモート会議が容易に、しかも場所を問わずに開催できるのもネットワークがあってこそだと木脇氏は高く評価する。
AWC、AWC-SCにより安定した快適な無線LAN環境を短納期、低コストで構築
今大会のネットワーク構成としては、屋内コート用、センターコート用にアライドテレシスのアドバンスト・セキュアVPNアクセス・ルーター「AT-AR3050S/AT-AR4050S」を3台配置。そこからレイヤー 2plusギガビット・インテリジェント・スイッチ「CentreCOM x230シリーズ」(3台)をPoEスイッチとして設置し、会場内の主要エリアに屋内用として無線LANアクセスポイント「AT-TQ5403」(4台)を、屋外用には「AT-TQ5403e」(6台)を設置した。AT-TQ5403eは、2.4GHz帯と2つの5GHz帯の同時使用が可能な3ラジオ搭載の屋外対応無線LANアクセスポイント。高い防塵・防滴性能で、耐環境性能を必要とする屋外や工場などへの設置に適している。
無線LAN環境はアライドテレシスのAWC(Autonomous Wave Control)によって管理する。AWCは、アクセスポイントそのものをインテリジェント化してチャンネルや電波出力を自律的に調整。無線エリア内の電波干渉を最小化することで、快適に利用できる無線LAN環境を実現するソリューションだ。とくに大勢の人が集まるイベント会場ではモバイルルーターの持ち込みなどによる電波干渉が懸念されるが、AWCが自律的にチャンネルや電波出力を調整することで常に快適な無線LANの利用が可能となる。
なお今回は同時に、ユニファイド・ネットワーク・マネージメント・アプライアンス「VST-APLシリーズ」をネットワークに導入している。VST-APLシリーズはネットワークの統合管理に必要な機能をパッケージ化したアプライアンスボックスで、AWCのコントローラー機能も内蔵しているため、別に管理サーバーを建てたり、無線LANのコントローラーを設置したりしなくても済んでいる。
さらに無線LANの構築にあたっては、アライドテレシス独自の技術である、AWC-SC(AWC-Smart Connect)を採用している。AWCSCは、アクセスポイント間の接続を無線通信にすることで配線工事を省き、アクセスポイントを設置し電源を入れるだけで、短期間かつ低コストでエリアを拡張しながら安定した無線LAN環境を構築できる。配線工事が不要でネットワーク機器と電源を確保するだけで簡単に設置できるため、イベント会場などLANケーブルの配線工事が困難な屋外でも無理なくネットワークを構築できる無線LANソリューションだ。
今回、AWC-SCは屋外コートのAT-TQ5403eの設置に利用している。以前は屋外コート用にPoEスイッチを設置したうえで無線LANアクセスポイントを接続していたのだが、AWC-SCを利用することでスイッチもイーサネットケーブルも不要となり、工期とコストの大幅な削減ができている。なお、福岡空港に非常に近い会場のため、気象レーダーの影響が懸念される中でも問題が発生しないように、AWC-SCによる接続は2.4GHz帯を利用している。
ネットワークの運用についてはアライドテレシスが全面的に担い、会場から近い福岡市内にある九州支社にSEが常駐し、万一トラブルが発生した際にはすぐに駆け付けができる体制を敷いた。無線LANアクセスポイントからのログなどもチェックし、大会の順調な運営ができるようにネットワーク基盤を支えている。
ますます進む電子化に対応し、利便性向上とサービス強化を図る
今大会は、WOWOWが運営する「テニスデイリー」で生中継された。試合中継にあたっては、次世代の撮影技術なども導入されており、大会の電子化、非接触化はますます進んでいく。そうした中でネットワークが担うべき役割は重要だ。試合経過の共有、コミュニケーションの電子化だけでなく、運営のさらなる利便性向上と監督をはじめとする学校関係者へのサービス強化がますます求められるという。
木脇氏は今後の展望について、「せっかくネットワークがあるのですから、関係者同士の連絡でキャリア回線を利用している部分などもWi-Fi用のインカムなどに切り替えていきたいですね。すでにこうした電子化への取り組みが3大会続いていますので、もはやネットワークは大会にとって無くてはならないものです。アライドテレシスには来年以降の大会でもぜひお願いしたいですし、これからもWin-Winの関係を築いていきたいと思っています」と語った。
アライドテレシスではこれからも、大規模スポーツイベントなどにおいても安定した快適な無線LAN環境、ネットワークを設計、構築、運用していく。
導入ネットワーク構成イメージ図
導入企業基本情報
- イベント名
- 第43回全国選抜高校テニス大会
- 日程
- 2021年3月20日~ 3月26日
- 会場
- 博多の森テニス競技場、福岡県営春日公園テニスコート
- 主催
- (公財)日本テニス協会、 (公財)全国高等学校体育連盟
- 主管
- 全国選抜高校テニス大会実行委員会
- URL
- https://www.senbatsutennis.com/
パートナー企業基本情報
株式会社TBSグロウディア
イベントラジオ事業本部
企画営業事業部
バイススペシャリスト
木脇 真文氏
- 会社名
- 株式会社TBSグロウディア
- 本社所在地
- 東京都港区赤坂五丁目2番20号 赤坂パークビル12階
- 設立
- 1953年
- 従業員数
- 代表取締役社長 園田 憲
- URL
- https://www.tbsglowdia.co.jp/
興行・催事、番組販売、TVショッピング等の物品販売、DVD・配信等の映像関連、ラジオ番組制作・放送技術、デジタル関連など、TBSグループにおいて映像、文化事業部門を支える。