第44回全国選抜高校テニス大会 様
大規模スポーツイベントのコミュニケーション基盤となる無線LAN環境を構築、Wi-Fi6の導入やSDGsの取り組みも
アライドテレシスは2022年3月に開催された第44回全国選抜高校テニス大会において、大会をスポンサードするとともに、会場の無線LANおよび有線LANを提供した。自律型無線LANソリューション「AWC」、無線エリアを簡単に構築・拡張することが可能な「AWC-SC(Smart Connect)」で構築し、大規模なスポーツイベントにおいても、安定して快適に利用できる無線LAN環境を実現した。(2022年6月公開)
- 業種・業務
- イベント・スポーツ
- ソリューション
- ネットワーク運⽤ Vista Manager シリーズ 無線LAN AWC-SC AWC セキュリティ UTM&VPN PoE
- 導入製品
- ネットワーク運用 エッジスイッチ 無線LAN ルーター(有線LAN)
- 導入目的
- 屋外無線LAN ネットワークの新規構築 運⽤・管理の向上 環境の整備 統合管理 安定稼働・安定通信 高速通信 無線LANの簡単導入 セキュリティの強化 ネットワーク監視の強化 業務効率の向上 コスト削減 事業の改善
感染対策も万全に大規模スポーツイベントを開催
第44回全国選抜高校テニス大会(共催:日本テニス協会、全国高等学校体育連盟)が、2022年3月20日から26日の7日間、福岡県福岡市の博多の森テニス競技場および福岡県営春日公園テニスコートで開催された。毎年3月に開催されるこの大会は、全国高等学校総合体育大会テニス競技大会と並ぶ、高校テニス界における2大大会として位置付けられている。全国の各地区予選を勝ち抜いた男女48校が、男女団体戦、個人戦を争う。
過去2大会と同様、コロナウイルスの影響は大きく、今大会は万全を期してさらなる対策を実施した。会場に入場する全ての来場者に対し、公益財団法人 日本テニス協会が運営する健康情報管理システム「HeaLo」の登録を必須とし、期間中は毎日欠かさず体温など健康状態の入力を求めた。
実行委員会のチーフアドバイザーで、合同会社バンカ 代表・イベントプロデューサーの宮崎 愛伎代氏は、「全国的に昨年よりも多くの感染者が出ていることから、さらなる対策を実施しました。HeaLoへの登録の他、入場ゲートでの検温と消毒、会場内のゾーン分けなども行っています。対策を万全にし、入場者の名簿も正確に管理できるようになったことで、昨年よりも多くの保護者様にご来場いただいても問題なくなっています」と語る。昨年は選手一人に保護者一人限定だったが、対策を万全にしたことで、今大会では保護者二人まで入場可とし、来場者はおおよそ倍となっている。晴れの舞台を保護者にぜひ見てほしいという思いも込めた感染対策だ。
またキッチンカーは今年も出店を行い、しっかりとした感染対策とイベントが両立し、以前のイベント色豊かな大会が戻りつつあることを伺わせた。
試合経過の情報共有とコミュニケーションにネットワークを活用
アライドテレシスは2018年からブロンズパートナーとして、全国選抜高校テニス大会を協賛し、電子化の基盤となる会場のネットワーク環境の構築と運用を支援している。
きっかけとなったのは2018年の第40回記念大会。それまでの大会では試合経過をホワイトボードに書き込むなど、手作業による情報共有が行われていた。しかし記念大会は通常よりも出場校が多く、手作業では難しいこともあって、ITを活用した試合経過共有システムを導入することとなり、その基盤となるネットワークの構築を支援したのがアライドテレシスだった。以来、全国選抜高校テニス大会のネットワークはアライドテレシスが担っている。
「すでに試合経過共有システムの利用も5年目を迎え、もはやネットワークは大会にとって無くてはならないものです。ネットワークの設計から、大会実施中のサポートまで手厚く支援いただいています」と宮崎氏は語る。
試合経過共有システムは、試合情報をリアルタイムに共有するためにコミュニケーションアプリを利用。博多の森テニス競技場、福岡県営春日公園テニスコート両会場の試合進行状況を共有する。事務局本部に集められた情報がディスプレイに一覧で表示され、事務局ではその情報をもとに次の試合は何番コートで何時スタート、といった指示を出して、コートを無駄なく利用し、大会運営をスムーズに回していくことができている。
博多の森テニス競技場だけでなく、車で30分ほど移動しなくてはならない春日公園テニスコートでも予選が行われるため、情報共有が可能なシステムは必要だ。
「もちろんアナログでなければ難しいこともあります。例えばオーダー表の提出など、間違いが失格に繋がってしまうようなことは電子化しづらい面もあります。ですがそれ以外の情報サービスについては電子化がだいぶ進んでいると思います」と宮崎氏。
試合経過の共有だけでなく、各校の監督とのコミュニケーションにもアプリが利用されており、例えば大会開始時に行う監督会議もアプリを利用してリモートで開催された。こうしたリモート会議が容易に、しかも場所を問わずに開催できるのもネットワークがあってこそだと宮崎氏は高く評価している。
Wi-Fi6対応無線LANアクセスポイントや、新たなSDGsの取り組みも
今大会のネットワーク構成としては、屋内コート用、センターコート用にアライドテレシスのアドバンスト・セキュアVPNアクセス・ルーター「AT-AR3050S /AT-AR4050S」を4台配置。そこからレイヤー 2plusギガビット・インテリジェント・スイッチ「x230シリーズ」(3台)をPoEスイッチとして設置し、会場内の主要エリアに屋内用として無線LAN AP「AT-TQ6702 GEN2」(5台)を、屋外用には「AT-TQ5403e」(6台)を設置した。
AT-TQ6702 GEN2は、Wi-Fi6に対応した最新の無線LAN AP。最新規格であるIEEE 802.11axに対応し、2.4GHz帯と5GHz帯の同時使用が可能な2ラジオを搭載。8x8ストリームに対応し、最大4.8Gbpsの大容量・高速通信が可能だ。
AT-TQ5403eは、2.4GHz帯と2つの5GHz帯の同時使用が可能な3ラジオ搭載の屋外対応無線LAN AP。高い防塵・防滴性能で、耐環境性能を必要とする屋外や工場などへの設置に適している。
無線LAN環境はアライドテレシスのAWC(Autonomous Wave Control)により一元的に管理。AWCは、無線LAN APそのものをインテリジェント化してチャンネルや電波出力を自律的に調整。無線エリア内の電波干渉を最小化することで、快適に利用できる無線LAN環境を実現するソリューションだ。特に大勢の人が集まるイベント会場ではモバイルルーターの持ち込みなどによる電波干渉が懸念されるが、AWCが自律的にチャンネルや電波出力を調整することで常に快適な無線LANの利用が可能となる。
同時に、ユニファイド・ネットワーク・マネージメント・アプライアンス「VST-APLシリーズ」をネットワークに導入。VST-APLシリーズはネットワークの統合管理に必要な機能をパッケージ化したアプライアンスボックスで、AWCのコントローラー機能も内蔵しているため、サーバー類を別途構築したり、無線LANのコントローラーを設置したりしなくても済んでいる。
無線LANの構築にあたっては、アライドテレシス独自の技術である、AWC-SC(AWC-Smart Connect)を採用している。AWC-SCは、無線LAN AP間の接続を無線通信にすることで配線工事を省き、無線LAN APを設置し電源を入れるだけで、短期間かつ低コストでエリアを拡張しながら安定した無線LAN環境を構築できる。配線工事が不要で、ネットワーク機器と電源を確保するだけで簡単に設置できるため、イベント会場などLANケーブルの配線工事が困難な屋外でも無理なくネットワークを構築できる無線LANソリューションだ。
今大会では、屋外コートのAT-TQ5403eの設置にAWC-SCを利用している。AWC-SCで接続する無線LAN APに電源の供給口が無かったため、接続先の2台の無線LAN APは、バッテリーと太陽光発電パネルを用いて、電源を供給する手法をとっている。
「無理矢理電源ケーブルを引っ張るのではなく、バッテリーと太陽光発電パネルで無線LAN APを動かしています。これもSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みと言えると思います」と宮崎氏。
ますますの利便性向上とサービス強化を図っていく
ネットワークの運用についてはアライドテレシスが担い、福岡市内にある九州支社にSEが常駐。万が一トラブルが発生した際にはすぐに駆け付けができる体制を敷いた。無線LAN APからのログなどもチェックし、大会の順調な運営ができるようにネットワーク基盤を支えている。また回数を重ねて慣れてきたこともあり、電波が少し悪い場合には、現場で無線LAN APの位置を下げるなどの対処も行えるようになっている。
今大会は、WOWOWが運営する「WOWOWテニスワールド」で大会の特設サイトが公開され、一部の試合は特設サイト内でライブ配信された。試合を中継するための放送設備やブース内でも一部アライドテレシスのネットワーク機器が使用されている。
長く続いているコロナ禍に大会の電子化、非接触化はますます進んでいく。そうした中でネットワークが担うべき役割は重要だ。試合経過の共有、コミュニケーションの電子化だけでなく、運営のさらなる利便性向上と監督をはじめとする学校関係者へのサービス強化がますます求められるという。
宮崎氏は今後の展望について、「せっかくネットワークがあるのですから、関係者同士の連絡でキャリア回線を利用している部分なども、Wi-Fi用のトランシーバーなどに切り替えていきたいですね。アライドテレシスには来年以降の大会でもぜひお願いしたいですし、これからもWin-Winの関係を築いていきたいと思っています」と語った。
アライドテレシスではこれからも、大規模スポーツイベントなどにおいても安定した快適な無線LAN環境、ネットワークを設計、構築、運用していく。
導入ネットワーク構成イメージ図
導入企業基本情報
お客様プロフィール
- イベント名
- 大正製薬リポビタン 第44回全国選抜高校テニス大会
- 日程
- 2022年3月20日~26日
- 会場
- 博多の森テニス競技場、福岡県営春日公園テニスコート
- 主催
- 公益財団法人日本テニス協会、公益財団法人全国高等学校体育連盟
- 主管
- 全国選抜高校テニス大会実行委員会
- URL
- https://www.senbatsutennis.com/
パートナー企業基本情報
お客様プロフィール
合同会社バンカ
代表・イベントプロデューサー
宮崎 愛伎代氏
- 会社名
- 合同会社バンカ
- 所在地
- 東京都足立区本木1-22-3
- 代表者
- 宮崎 愛伎代
取り組み
プロモーション・プランニング、グラフィック・デザイン、イベント企画・制作、展示会企画・制作、イラスト制作。