株式会社清水銀行 様
- 目 的
- ネットワークの安定稼働 運用・管理の効率化 セキュリティの強化 ネットワーク監視の強化 運用・管理・監視を外部委託 業務効率の向上
- プロダクト・サービス
- スイッチ VCS Vista Managerシリーズ AMF ルーター UTM&VPN Net.Monitor
- 規 模
- 500~999
- 課 題
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・保守期限や経年劣化に伴う将来的な安定稼働への不安
・冗長性の不足が招く障害時の業務停止リスク
・多拠点対応や夜間作業を前提とした運用管理
- 採用ポイント
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・長年の安定稼働実績を踏まえた製品選定や構成設計
・既存構成を大きく変えない現実的な更改方針
・業務継続性を前提とした、サーバースイッチの冗長設計
- 効 果
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・自動復旧や常時監視・可視化により、「もしもの備え」を確保
・一部機器の故障時でも業務を継続できる構成へ更新
・運用状況を把握できる環境を整え、安心できる業務体制を実現
安定稼働を守るために見据えた、ネットワーク基盤の再構築
静岡県および国際貿易の要所・清水港周辺を主要地盤とする清水銀行は、地域に根差した金融機関として県内外に79店舗を展開している。地方銀行の中でも拠点数が多い同行にとって、本部を含む広範囲の本部通信ネットワークは、日々の銀行業務を支える重要な基盤となっている。
今回、ネットワーク更改を検討する直接的なきっかけは、導入から約7~8年が経過したネットワーク機器の保守期限だった。ただし、当時のネットワーク運用に大きな問題はなかったと、同行事務部・統括役の勝見貴郊氏は振り返る。
「今は問題がなくても、将来を見据えた備えは必要だという認識はありました。特に、設備構成の老朽化や冗長性については、改めて点検する必要があると感じていました」。
機器の利用率が高まり、将来的な拡張の余力に懸念があったこと。また一部の構成では冗長化が不十分で、万一の故障時に業務停止につながりかねない箇所が残っていたことなど、潜在的な運用リスクが更改の背景にあった。
実績を重視し、「刷新」ではなく「継承」を方針に
同行は2008年前後からアライドテレシス製品を利用しており、今回で3度目の更新となる。
「長年にわたりネットワークが安定稼働してきた実績による信頼があります。その土台を大きく変えることは、新たなリスクを生むと判断しました」(勝見氏)。
こうした状況を踏まえ、同行が選択したのは、最新技術を積極的に取り入れる大胆な刷新ではなく、既存構成を踏襲しながら要所を強化する方針だった。
導入する技術や機器についても、先進性や話題性ではなく、実績と評価が確認できるものに限定した。必要以上に性能を盛り込むオーバースペックな構成は避け、「使える限り使い、確実に更新すべきところだけ更新する」という姿勢を貫いている。
銀行ネットワークにおいて最優先とされるのは、堅牢性、冗長性、信頼性だ。加えて、業務を止めないことを前提とした移行の確実性や、日常の運用・保守のしやすさも欠かせない。今回のネットワーク更改は、こうした条件を一つひとつ見直しながら、冗長化と可視化を中心に基盤を強化し、「継承を前提とした進化」を実現した取り組みとなった。
止めない運用を支える――“人と体制”のパートナーシップ
「継承」を軸とした方針を確実に具現化するうえで欠かせなかったのが、現場を動かす人と体制だ。今回のネットワーク更改を支えたのは、同行・NTT西日本・アライドテレシスのパートナーシップである。担当者同士が顔の見える関係性を築いているからこそ、状況確認から対応判断までがスムーズに進む。
「何かあったときに、すぐに相談できる相手がいる。それだけで現場の安心感は大きく違います」と勝見氏・片瀬氏が語るように、製品や技術だけでなく、人と体制への信頼が安定運用を支えている。
本部から全拠点へ――徹底した冗長設計により、機器も業務も止めない運用基盤を構築
今回のネットワーク更改では、本部から全営業支店に至るまで、一貫した冗長設計を基本とする運用基盤へと変更された。すでに天神本部の構築は完了しており、支店ネットワークのリプレースも順次進行している。
営業店ネットワークの切り替えについては、ATMを止めないことを前提に、21時半以降の夜間作業で実施された。限られた時間の中で確実に切り替えるため、事前の工程設計と役割分担は綿密に詰められており、こうした計画的な協業体制が、銀行業務を止めないための堅牢な移行を支えている。
同行はもともとアライドテレシスのAMFを用いてネットワークを運用しており、今回もその強みを活かした継続的な更改となる。後継となる「AMF PLUS」は、ネットワーク機器の一括管理や自動設定、障害時の迅速な復旧を支援する仕組みで、より高度な自動化と可用性を備えた運用基盤として、運用負荷の軽減と安定運用に寄与する。
本部ネットワークの中核には、勘定系・情報系を含む全システムの通信を集約するコア・スイッチ「SwitchBlade x908 GEN2」を配置。この機器をAMF PLUSのマスター(管理用スイッチ)として据え、営業店側ではネットワーク統合管理アプライアンス「Vista APLシリーズ」を活用した運用体制を構築。さらに運用支援サービス「Net.Monitor」を組み合わせることで、銀行業務を止めないための運用基盤を支えている。
加えて、利用率が高まりつつあったATMやファイルサーバーなどのサブシステムを支える一部のスイッチについても、本部のコア・スイッチや主要経路と同様に、徹底した冗長化を実施した。この方針について、同行事務部・次長の片瀬智尋氏も次のように語る。
「一台の機器が故障しただけで業務が止まる状態は、銀行として許容できません。今回の更改では、これまで冗長化されていなかった領域にも手を入れ、強固だった構成をより広い範囲へと拡張しました。結果として、万一の故障時にも業務継続が可能な構成へと見直されています」。
自動復旧と常時監視・可視化で実現する継続的な安定稼働
運用面で中核を担うAMF PLUSにより、障害発生時には設定が自動復旧し、現地作業のスキルに依存せず迅速な復旧が可能となる。
なお、実際の運用現場でこれらの復旧機能が使われる場面はほとんどないという。これは機器自体の信頼性が高く、想定外のトラブルが発生していないことの裏返しであり、ネットワーク基盤の安定性と運用体制の確実性を示している。
特に多拠点を抱える営業店網では、夜間作業や限られた人員での対応が前提となるため、AMF PLUSは運用負荷の軽減と安定稼働を支える重要な仕組みとして機能している。
さらにNet.Monitorによる24時間365日の常時監視で、障害の検知・通知だけでなく、ポータル画面でネットワーク全体の稼働状態を可視化できる。これにより担当者が状況を把握しやすくなり、異常の早期発見・初動対応につながる運用体制が整えられている。
今回の更改では、NTT西日本をはじめとするパートナーと同じポータルを共有することで、迅速かつ的確な対応判断が可能となった。
「当たり前」を守り続けるために――銀行ネットワークの実践的アプローチ
こうした取り組みの成果は、数値では測りにくいものの確実に効果が現れている。ネットワーク障害について役員会で報告したことはなく、支店からの問い合わせもほとんどないという。現場には「楽になった」というよりも、「安心して使い続けられている」という実感が広がっている。
統括役・勝見氏は、安定したネットワークの価値を次のように語る。
「蛇口をひねれば水が出るのは当たり前ですが、その当たり前は簡単ではありません。ネットワークも同じで、使えて当たり前の状態を維持することが一番難しいです」。
今後はサブシステムのクラウドシフトや、営業現場のワイヤレス活用・タブレット業務の拡大など、さらなる環境変化が見込まれている。そのなかで重要になるのは、「つながる」だけでなく、「セキュアにつなぐ」ことだ。
派手な刷新は行わない。しかし、実績を積み重ね、変わらない価値を継承しつつ要所を確実に強化する。そして人と体制への信頼を基盤に運用を支える――。清水銀行のネットワーク更改は、「銀行らしさ」を体現した一つの理想形といえる。
導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

株式会社清水銀行
統括役
勝見 貴郊氏

株式会社清水銀行
次長
片瀬 智尋氏
- 会社名
- 株式会社清水銀行
- 所在地
- 静岡県静岡市清水区富士見町2番1号
- 設立
- 1928年
- 代表者
- 取締役頭取 岩山 靖宏
- URL
- https://www.shimizubank.co.jp/
株式会社清水銀行は、静岡県内を中心に本支店・出張所79店舗を展開する地方銀行。パーパスに「地域を愛し、お客さまの未来をともに考え、共創します」を掲げ、地域密着を基本理念とし、顧客と地域発展に貢献している。
パートナー企業基本情報
- 会社名
- NTT西日本株式会社 エンタープライズビジネス営業部 金融営業部(静岡)
- 所在地
- 静岡市葵区城東町5番1号
- URL
- https://www.ntt-west.co.jp/shizuoka/
NTT西日本株式会社は、静岡市葵区を拠点に通信およびICTサービスの提供を通じて、地域社会と企業の課題解決を支えている。法人向けのネットワーク構築、セキュリティ対策、ICTソリューションに幅広く対応し、地域のデジタル化推進に貢献している。







