多摩都市モノレール株式会社 様

24時間365日とめられない交通系インフラを支える高信頼性のITインフラ基盤、UTMのクラウド化で拡張にも容易に対応

東京都の多摩都市モノレールは、一般業務系のサーバーやネットワークなどのITインフラをアライドテレシスの支援のもと更新し、2023年にはプラットフォームサービス「クラウドUTM」を導入した。これにより従来の境界型防御だけでなく、テレワークなど境界外のネットワークセキュリティにも対応するインフラを実現した。(2024年1月公開)

業種・業務
エンタープライズ
ソリューション
ネットワーク運⽤ AMF Vista Manager シリーズ 無線LAN AWC セキュリティ Net.CyberSecurity AMF-SEC(旧:SES) UTM&VPN
導入製品
システムインテグレーション ネットワーク運用 ルーター(有線LAN) ITサービス(Net.Service)
導入目的
ICT活用 ネットワークの改修・増築・刷新 運⽤・管理の向上 環境の整備 統合管理 安定稼働・安定通信 無線LANの簡単導入 セキュリティの強化 ネットワーク監視の強化 運用・管理・監視の支援を外部に委託 業務効率の向上 コスト削減 クラウド利用
課 題
・さまざまなベンダー機器の混在で互換性の問題や障害時の切り分けが複雑化
・既存のUTM機器では拡張時の対応が困難
採用ポイント
・運用しやすいシステム環境、堅牢なセキュリティ、可視化できるネットワーク
・UTMを「クラウドサービス」として利用できること
効 果
・ベンダー機器を統一し、ITインフラ環境の一元管理で信頼性・利便性が向上
・UTMのクラウド化により通信量の増加やネットワークの拡張時も対応が容易に

重要インフラを支える一般業務系ネットワークを更新

 多摩都市モノレールは、多摩センター駅(多摩市)と上北台駅(東大和市)を結ぶ延長16kmのモノレール路線。沿線には大学や高校、商業施設、レジャー施設など、さまざまな施設が立地しており、一日約13万人が利用している。
 2023年に開業25年を迎えた多摩都市モノレール。「路線延伸に向けた動きも本格化しており“、さ、いこう!な 見晴らしを”のキャッチコピーとともに沿線価値の向上に取り組んでいます」と話すのは、多摩都市モノレール株式会社 総務部 主任(総務・広報グループ)の高木 正則氏。
 アライドテレシスは2020年から21年にかけ、サーバーやネットワークインフラを多摩都市モノレールに導入した。
 「導入したのは運行管理や駅務機器などの専用システムではなく、一般業務系のネットワークです。一般業務といっても、例えば列車の運行管理ではその基礎となる運行計画や関連文書の作成、駅務機器では営業実績のとりまとめなどに一般業務系の端末を用いており、当社の業務運営には欠かせません」と高木氏。電車は毎日運行し、終電後の夜中でも保守作業があるため、必然的に一般業務系のネットワークも24時間365日安定稼働する必要があるという。

更新後も変わらず快適に利用できる高信頼のITインフラを構築

 一般業務系のネットワークについては開業以来、さまざまなシステムや機器の導入や増設、更新を繰り返して利用してきたため、いくつかの課題が生まれていた。
 まず一つがネットワークの複雑性による課題だ。「サーバーやネットワーク機器は更新とともに機能を増強してきました。その過程でさまざまなベンダーが取り扱う製品を採用することとなり、互換性の問題や障害発生時の切り分けに時間を要するといった問題がありました」と高木氏。
 次に運用管理の課題だ。情報システム部門はパソコンの管理や問い合わせ対応など他の業務も行っており、サーバーやネットワークの運用管理だけに十分なリソースを充てることは難しい状況であったという。
 そこで多摩都市モノレールは、ベンダーの統一による取り扱いの簡素化と安定性の向上を目指し、2020年にサーバー機器、2021年にネットワーク機器の更新を行った。サーバー、ネットワーク更新に採用されたベンダーがアライドテレシスである。
 アライドテレシスは“、運用しやすいシステム環境”、“堅牢なセキュリティ”、“可視化できるネットワーク”をコンセプトに、独自技術である「AMF(Autonomous Management Framework)」によりインフラを一元管理でき、運用支援サービス「Net.Monitor」がサーバー、ネットワークを24時間365日監視する、高信頼で安心な構成を提案した。
 採用のポイントについて高木氏は、「ネットワーク機器がすべて自社製品のため安心できることと、既存構成の課題を理解した改善につながる提案がとても良かったです」と語る。また技術力や今後の通信量の増加、ネットワークの拡張を考慮した構成なども採用の理由となった。「当社にはいわゆる休日がないことから、切り替え作業の実施中も何かしらの業務が行われています。なるべく停止時間を少なくできるような工程を求めました」と高木氏。
 2020年にサーバー更新、2021年にネットワーク更新を実施し、その後はとくに大きな問題も起きず安定してインフラは稼働している。
 毎日通常通りの業務ができており、それが「高い信頼性を示していると感じています」と高木氏。また2021年に初めて導入した無線LANについても、利便性が格段に向上したと社員から喜ばれているという。
 運用に関しては、とくに手がかかるようなこともなく、同時に導入したネットワークマネージメントソフトウェア「AT-Vista Manager EX」により、ネットワークトラフィックや無線LANの電波状態が一目で把握でき、「繋がりにくいなどの問い合わせがあっても電波強度をもとに回答できる点が心強いです」と高木氏。

クラウド化も推進、拡張性の高い「クラウドUTM」を導入

 そして2023年には、アライドテレシスが提唱する2つのSASEサービスのうちの一つ、プラットフォームサービス「クラウドUTM」を導入した。クラウドUTMはこれまで拠点単位でインターネットの出入口に設置していたUTM機器をクラウド上に統合することで、効果的かつ効率的な運用を実現するだけでなく、SD-WANやローカルブレイクアウト環境などへの接続にも対応する。「これまでも業務用のパッケージソフトをクラウド版にするなど、いわゆるSaaSは積極的に導入してきましたが、インフラのクラウド化という意味ではUTMのクラウド化が当社では初めてのケースです」と高木氏。
 従来のネットワークでは、サーバー室に設置する形でUTMを導入していた。「モノとして設置していましたが、例えば路線が延長してネットワークを拡張しようと思うと、UTMを増設したり、回線を引き直す必要があったりします。クラウドUTMなら大きなコストをかけずに拡張も容易です」と高木氏は言う。
 UTMのクラウド化により、多摩都市モノレール側にはVPNルーターのみを設置する形となったが、2台設置による冗長化を行うことで信頼性を高めている。
 アライドテレシスは今回、クラウドUTMを提供するとともに、その監視にセキュリティ対策支援サービス「Net.CyberSecurity」のマネージドセキュリティサービス「MSS」を提供。クラウドUTMから出力されるログを、専門の知識を持ったセキュリティアナリストが24時間365日有人監視でリアルタイムに監視・分析し、精度の高いインシデント情報を報告する。「大手セキュリティベンダーと遜色ないサービスを提供しつつ、コストパフォーマンスも非常に高く、良いサービスを導入できたと思います」と高木氏は言う。
 セキュリティ対策について高木氏は、「当社はテレワークを行う社員もいまして、従来の境界型防御ではセキュリティ対策として十分とは言えません。クラウドUTMによりどこからでも安心してネットワークを利用できるようになりました」と言う。

さらなる改善に取り組み、サーバーのクラウド化も視野に

 2020年のサーバー更新から、2021年のネットワーク更新。そして2023年のクラウドUTM導入と、アライドテレシスは提案から構築、運用にいたるまで積極的な支援を行っている。「問い合わせなどへの対応も迅速で手厚く助かっています。すべてを最大規模で提案するのではなく、当社の要望に添った無駄のない提案をしてくれますので信頼していますし、良い関係が築けていると思います」と高木氏は評価している。
 今後もより安定的なネットワーク環境を目指す多摩都市モノレールは、さらなる改善に取り組む。
 「次の更新の際にはサーバーのクラウド化も検討して、より使いやすく、高信頼なインフラを構築していきます。今後も各種業務のIT化が進むことは間違いなく、それを支えるインフラの重要性も高くなります。安定的かつセキュリティを維持して、運用できるように必要なシステムやソリューションの導入を検討していきます」と高木氏は力強く語った。
 アライドテレシスはこれからも、製品や技術、サポートの提供を通じて、多摩都市モノレールのITインフラを積極的に支援していく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

お客様プロフィール

多摩都市モノレール株式会社
総務部 主任(総務・広報グループ)
高木 正則氏

会社名
多摩都市モノレール株式会社
所在地
東京都立川市泉町1078番92
設立
1986年
資本金
1億円
URL
https://www.tama-monorail.co.jp/
取り組み

設立以来、多摩における地域内相互の連帯を強化し、便利で快適に移動できる交通ネットワークを形成するために、多摩都市モノレールの整備を推進。1998年11月27日の「立川北~上北台」間に続き、2000年1月10日には「多摩センター~立川北」間も開業し、整備路線の全区間が開通。これにより、多摩地区の交通利便性が一層向上したのみならず、多摩都市間の人の交流や地域の発展にも大きく寄与していく。

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