独立行政法人国立病院機構 嬉野医療センター 様
- 目 的
- 病院内Wi-Fiの整備 無線LANの導入 ネットワークの安定稼働 運用・管理の効率化 ネットワーク監視の強化 業務効率の向上
- プロダクト・サービス
- 無線LANアクセスポイント スイッチ VCS Vista Managerシリーズ AMF ルーター
- 規 模
- 100~499
佐賀県南西部における地域医療の中核となる急性期病院
独立行政法人国立病院機構 嬉野医療センターは佐賀県南西部医療圏における地域中核病院だ。高度急性期医療および質の高い専門医療を担っており、循環器病に関する専門的医療、免疫異常に関する専門的医療などを提供。地域がん診療連携拠点病院にも指定されている。
「当院は地域の救急医療の拠点であるとともに、災害拠点病院でもあります。病院設備としてドクターヘリ用のヘリポートも備えています。県内や近県で災害が発生した際には佐賀県知事の要請により傷病者の受け入れや災害派遣医療チーム(DMAT)の派遣などを行います」と話すのは、中央診療部長(放射線科)の福井 健一郎氏だ。嬉野医療センターでは毎年大規模災害発生に備えて災害訓練を実施しており、実際に2011年の東日本大震災の際にもDMATを派遣して被災地での診療など支援を行ったという。
嬉野医療センターは2019年6月1日、新病院への移転を実施した。新病院は開業予定の九州新幹線(西九州ルート) 嬉野温泉駅のすぐ西側に建設された。8階建ての新建屋は病床数399床。和の要素が取り入れられ、病室にはカーテンではなく障子が取り入れられるなど、日本三大美肌の湯として有名な嬉野温泉の環境イメージを感じられる病院となっている。また、新病院では緩和ケア病棟を新設。これまで以上に患者に寄り添った医療の提供を行っていく。
新病院への移転にともないネットワークを刷新
嬉野医療センターでは従来から株式会社イシダの外来患者案内システムを導入しており、無線LANで接続された案内受信機により患者に次の予定を知らせている。しかし従来の建屋では、無線LANの接続状況が不安定なところがあり、外来患者案内システムの端末画面の更新に1分以上掛かってしまうこともあって課題となっていたという。
さらに、嬉野医療センターでは、外来患者案内システムの端末だけでなく、電子カルテシステムの端末、情報系の端末、ポータブル撮影機などの医療機器、患者用のフリー Wi-Fiといったように、無線LANを利用する端末が非常に多い。そこで新病院に移るにあたっては、ネットワークそのものの見直しとともに、管理ツールの導入も必要となっていた。
さまざまな検討を行い、最終的に新病院のネットワークに採用されたのが、ユタカインテグレーション株式会社の提案したアライドテレシスのネットワークソリューションである。アライドテレシスの機器を提案した理由についてユタカインテグレーションの小林 克己氏は、「アライドテレシスとは以前から付き合いもあり、今回の嬉野医療センター様の案件でも連携して動きました。管理をしやすくするというところでアライドテレシスのネットワークを提案しました」と語る。
アライドテレシスのネットワークソリューションを採用
新病院のネットワークには、コア・スイッチにアドバンスト・レイヤー 3・モジュラー・スイッチ「SwitchBlade x908 GEN2」を冗長構成で設置。各階のフロア・スイッチには「CentreCOM x510シリーズ」、エッジ・スイッチにはPoE+対応の「CentreCOM Secure HUBSH230シリーズ」などを導入。無線LANアクセスポイントには「ATTQ5403」が全館をカバーする形で236台設置された。ネットワーク管理ソフトとして「AT-Vista Manager EX」も採用されている。
これらスイッチ、アクセスポイントはアライドテレシスのAMF(Autonomous Management Framework)により統合管理される。AMFは、複数のネットワーク機器の一括設定や一括アップデート、遠隔地からの管理・設定変更、事前設定不要の機器交換といった運用を可能とするアライドテレシスが独自開発した機能だ。AMFの導入により運用・管理工数とコストの大幅な削減、障害時の自動復旧を実現する。
建屋の建設とともにネットワーク機器の導入、設置、設定作業が進められ、ユタカインテグレーションを中心にアライドテレシスも支援を行った。ユタカインテグレーションの長野 慎治氏は、「Vista Manager EXを使っての設定は非常に容易で、導入をスムーズに進めることができました」と語る。
嬉野医療センターの電子カルテシステムのベンダーであり、新病院のIT運用を担う株式会社ソフトウェア・サービス 顧客ソリューションセンター 顧客ソリューショングループの福山 久氏も、「構築にあたっては、嬉野医療センター様と当社、ユタカインテグレーション、アライドテレシスで密に連絡を取り合い、スムーズに導入を完了させることができました」と語る。
快適な無線LAN環境を実現、迅速な対応を評価
2019年6月1日に新病院はオープンし、新しいネットワークも稼働を正式にスタートした。多少のトラブルはあったものの、アライドテレシスではユタカインテグレーションとともに迅速な対応を行っている。無線LANについても、外来患者案内システム端末の遅延などもなく、他機器についても接続できない、遅いといった声は聞こえていないという。「まったく問題がないというわけではありませんが、導入当初と比較すると最近はかなり安定しています」と福井氏。ユタカインテグレーションの畦田 信治氏も、「サポートしている方の顔が見えるのは非常に良いことだと思います」と評価する。
ネットワークも以前の建屋と比べると軽くなったと福井氏。サーバーも新しくなったためネットワーク刷新だけの効果ではないが、従来のようにネットワークがボトルネックになることはないという。
無線LANについては今回アクセスポイントのAT-TQ5403が全館に設置されているが、接続する端末数も多いため、事前にアライドテレシスとイシダ社で事前に検証を実施したほか、ユタカインテグレーションがAT-TQ5403の特徴を生かした設計を行った。「ATTQ5403は2.4GHz帯用に1つ、5GHz帯はW52/W53帯用とW56帯用の2つ、計3つのラジオを搭載しています。5GHz帯のW53/W56チャンネルではDFS(Dynamic Frequency Selection)に起因するチャンネル変更発生時に通信が切れてしまうため、診断系ではW52を、その他を2.4GHz帯と5GHz帯のW56で分散するように設計しています」と長野氏。
要望を受けて管理ツールのアップデートも実施
今回の導入についてユタカインテグレーションの田中 稔氏は、「アライドテレシスには多方面でさまざまな協力をしてもらい、上手く連携して導入を成功させることができました」と評価している。
管理ツールとして導入したVista Manager EXについては現在さまざまな機能追加、強化を行っており、近日バージョンアップを実施する予定だ。「現状でも担当者からとくに使い勝手が悪いなどといった声は上がっておりませんが、さらに良くなると思います」と福井氏。
2020年の新型コロナ禍において各地の病院では、感染対策のため、患者の家族が面会できないといった事態も起きているが、嬉野医療センターではネットワークを活用し、患者の家族が患者と画面越しに面会できるような仕組みを取り入れている。「ご家族様に当院にお越しいただき、タブレット端末を活用して患者様と直接ではありませんが面会いただけるようにしています」と福井氏。そうした患者とその家族のための仕組みにもネットワークが活用されている。
嬉野医療センターでは今後も医療サービスの基盤となるネットワークの安定稼働を図っていく。
アライドテレシスではこれからも、製品や技術、サポートの提供を通じて、嬉野医療センターのネットワークを積極的に支援していく。
導入ネットワーク構成イメージ図
導入企業基本情報
独立行政法人国立病院機構
嬉野医療センター
中央診療部長(放射線科)
福井 健一郎氏
- 病院名
- 独立行政法人国立病院機構 嬉野医療センター
- 所在地
- 佐賀県嬉野市嬉野町大字下宿甲4279-3
- 設立
- 1942年
- 院長
- 河部 庸次郎
- 病床数
- 399床
- URL
- https://ureshino.hosp.go.jp/
佐賀県南西部医療圏の地域中核病院。標榜診療科目は内科や神経内科、呼吸器内科、消化器内科など24科。佐賀県南西部における各種医療従事者の卒後研修及び生涯研修を行う地域医療研修センターや、附属看護学校を併設している。基本理念は「ひとり一人を大切に」。安心で安全な医療を実践し、人命を尊び人格を敬って医療に携わっていく。
パートナー企業基本情報
- 会社名
- 株式会社ソフトウェア・サービス
- 本社
- 大阪府大阪市淀川区西宮原2丁目6番1号
- 設立
- 1969年4月
- URL
- https://www.softs.co.jp/
医療機関向けに『e-カルテ』( 電子カルテシステム)、『NEWTONS』(オーダエントリーシステム)を中心とした医療情報システムを開発・販売・ 導入・保守まで提供。
ユタカインテグレーション株式会社
取締役 営業統括部長
田中 稔氏
- 会社名
- ユタカインテグレーション株式会社
- 本社
- 大阪市城東区古市1丁目4番23号
- 設立
- 1973年
- URL
- https://www.yutaka-net.co.jp/
通信・情報・ネットワークのトータルソリューションを届ける。あらゆるネットワークに関して要望に沿ったソリューションを提供する。