リング構成冗長化ソリューション

障害の検出と経路の切り替えをより高速に実現

EPSRとは

イーサネットリングプロテクション機能のEPSR(Ethernet Protected Switched Ring)は、リング構成のネットワークに特化し、レイヤー2のループ防止と冗長化(RFC3619)を実現します。トポロジーをリング構成に限定し、各スイッチの役割をあらかじめ固定することにより、障害の検出と経路の切り替えをより高速に行います。

  • 高速な切り替えでダウンタイムを短縮

    トポロジーをリング構成に限定し、各スイッチの役割をあらかじめ固定することで、障害検出と経路切り替えをより高速に行います。最短で50ms以内の高速な切替えを提供します。

  • 大規模ネットワークにも適用可能

    スパニングツリープロトコル(STP)のような明示的な段数制限はないため、リングに所属するスイッチが10台、場合によっては100台単位になる大規模なネットワークにも適用することが可能です。

  • 配線をシンプル化、線材コストも大幅に圧縮

    高層ビルや、建物間が離れている工場、鉄道の各駅を結ぶネットワークを階層型(スター型)で構成してしまうとフロアスイッチの配線が複雑でコストも高くなってしまいます。しかし、リング型構成であればネットワーク機器やケーブル敷設といったコストを抑えることができます。
    例えば高層ビルの場合(右図)、スター型ではリング型と比べ5.5倍の長さ、1.8倍の本数のケーブルが必要となります。加えてリング構成なら光ケーブル敷設や機器へのSFPモジュール増設なども不要でUTPだけで構成することが可能です。このように、スター型とリング型では建屋が高層になるほどコスト差が広がります。
    EPSRはマスターとなるスイッチ以外は安価なL2ラインナップが対応、ネットワーク機器にかかる費用の総計を最小限に抑えることが可能です。なお、リング内の全スイッチをL3スイッチで構成すれば、リング内に流れるトラフィックの抑制や回線コストの削減が出来、効率重視のネットワーク設計も可能です。

  • 設定が簡単

    EPSRであれば、スパニングツリープロトコル(STP)だと設計が難しい「ブロッキングポートやルートブリッジの選出」「どのスイッチのどのポートをブロックにするか」も解消できます。マスターノードに1つのブロックポート(セカンダリーポート)を設定するだけで済むため、設計者・運用管理者双方にとって、リング構成の設計・導入に対する敷居が低くなります。

EPSRの仕組み

EPSRドメイン

リングの管理を行う単位で、制御用のVLANとデータ用のVLANで構成されます。

マスターノード

リングの制御を行うスイッチで、EPSRドメイン内に1台だけ設定可能です。
プライマリーポートとセカンダリーポートを設定します。

トランジットノード

EPSRドメイン内のマスターノード以外のスイッチをすべて「トランジットノード」と呼びます。
リングの状態監視、障害検出、通知、高速な切り替えを提供します。

コントロールVLAN

EPSRドメインを制御するためのVLANで、制御メッセージだけがやりとりされます。
EPSRドメインに1つだけ設定します。

データVLAN

通常のトラフィックが運ばれるVLANで、EPSRドメイン内に複数設定可能です。

プライマリーポート

コントロールVLAN、データVLANの両方で、常に送受信が行えるポートです。

セカンダリーポート

コントロールVLANでは常に送受信が行えますが、データVLANでは通常はブロッキング状態です。
リングに障害が発生するとデータVLANのブロック状態が解除され送受信が行えるようになります。

基本動作

マスターノードはプライマリーポートから“ヘルスチェック”メッセージを定期的に送信します。
セカンダリーポートにて定期的に”ヘルスチェック”メッセージを受信できればリングの状態が正常であると判断します。

障害検出時

以下いずれかが発生した場合にリングに障害が発生したと判断し、経路の切り替えを行います。

  • “ヘルスチェック”メッセージをマスターノードのセカンダリーリポートで一定回数受信できない場合
  • リング内のいずれかのノードより、リンクダウン検出を通知された場合

切り替わり時の動作の詳細は下記「詳細機能説明資料」をご参照ください。

対応製品・ラインナップ

資料ダウンロード

  • EPSRの仕組み 詳細機能説明資料

    EPSRの詳細機能(障害時の動作、エンハンストリカバリー機能、SLP機能)について、詳しく説明した資料を用意しました。

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