市立伊勢総合病院 様

新病院の情報システムを支えるネットワークをフルサポート

三重県伊勢市の市立伊勢総合病院は、新病院への移転にあわせ、アライドテレシスのネットワークソリューションを採用。 ネットワークを統合管理する「AMF(Autonomous Management Framework)」、シングルチャンネルの無線LAN環境を実現する「AWC-CB(Channel Blanket)」、アプリケーション連携でセキュリティを強化する「AMF-SEC(AMF-SECurity)」、ITシステムの安定運用を支援する「Net.Monitor」など、アライドテレシスの多様なネットワークソリューションが、病院情報システムの基盤となるネットワークを支えている。(2020年3月公開)

医療・福祉 近畿 病床数:300床
目 的
病院内Wi-Fiの整備 無線LANの導入 ネットワークの安定稼働 運用・管理の効率化 セキュリティの強化 ネットワーク監視の強化 運用・管理・監視を外部委託 業務効率の向上
プロダクト・サービス
無線LANアクセスポイント AWC AWC-CB スイッチ VCS Vista Managerシリーズ AMF AMF-SEC ルーター Net.Monitor アライド光
規 模
100~499

新病院の建設にあわせネットワークを刷新

 市立伊勢総合病院は、人間性豊かな市民病院として市民の健康増進、生活の質の向上、愛情と誇りを持てる病院を目指すことを理念とする、地域の基幹病院の一つだ。2017年には地域医療支援病院、2019年には災害拠点病院にも指定されている。
「2019年1月に新病院に移転しました。従来の建屋は40年ほど経過しており、地震などに対する備えも十分とは言えませんでしたが、新病院は免震構造で地震にも強く、万一の災害発生時にも医療を継続できる、地域の拠点的機能を備えた病院となっています」と話すのは、経営推進部医療事務課長(兼)電算システム係長の南平貫志氏だ。新病院は免震構造を備えた地上5階塔屋2階建てで、屋上にはヘリポートを有している。
会議室やロビー、リハビリテーション室などは、災害時に患者の治療や避難住民の収容スペースとしても活用可能な設計となっている。
新病院の建設にあわせて老朽化した医療機器などの整備も行っており、電子カルテシステムも同時に導入されている。「移転の前、もしくは後というスケジュールも検討しましたが、移転と同時に電子カルテシステムを導入しました。ネットワークとあわせ、その上で動くシステムについても大規模な新規構築となりました」と南平氏は語る。

新たなネットワークにアライドテレシスを採用

 新病院のネットワークについてはいくつかの要件があった。電子カルテシステムを導入するため、端末を接続する無線LAN環境が必要となるだけでなく、従来以上にネットワークに信頼性が求められることになる。「以前の建屋はオーダリングシステムのみでしたが、新病院は電子カルテシステムが稼働します。ネットワークが止まれば電子カルテシステムは使えなくなり、医療も停止してしまいますので、これまで以上に信頼性、耐障害性の高さが求められます」と南平氏。
安定した無線LAN環境を全館に、さらにセキュリティについても強化することが必要だった。複数のベンダーから情報を収集するとともに提案を求め、最終的にプロポーザル方式の入札により、新病院のネットワークとして採用されたのがアライドテレシスのネットワークソリューションである。アライドテレシスの提案について、経営推進部医療事務課電算システム係主事の山本雄紀氏は、「アライドテレシスからは、仕様以上の提案を受けました。コスト的な問題で諦めていたことなども実現可能となっており、とても良い提案でした」と評価している。もちろん、コストパフォーマンス面でも優れていたと付け加える。
山本氏が挙げたポイントがシングルチャンネル方式の無線LANと、ネットワークの自動復旧機能だ。アライドテレシスは無線LANの安定稼働をコンセプトに、自律型無線LANソリューション「AWC(Autonomous Wave Control)」とともに、シングルチャンネルシステムの「AWC-CB(Channel Blanket)」を提案。
AWC-CBは、アライドテレシスの独自技術により従来のシングルチャンネル方式が持つ欠点を解消し、低コストで構築できるソリューションだ。電子カルテ端末のような移動範囲の広い使い方の場合、ローミングレスで利用できることは大きなメリットになる。そして、自動復旧を実現するのがAMF(Autonomous Management Framework)機能だ。
AMFは、複数のネットワーク機器の一括設定や一括アップデート、遠隔地からの管理・設定変更、事前設定不要の機器交換といった運用を可能とする機能だ。AMFの導入により運用・管理工数とコストの大幅な削減、障害時の自動復旧を実現する。山本氏は、「以前のネットワークでは、止まりかけたことなどもあり、電子カルテシステムを導入する以上、万一の際への備えはしっかりしたいと考えていました」と言う。

病院ネットワークをアライドテレシスがフルサポート

 新病院のネットワークは、コア・スイッチにアドバンスト・レイヤー3・モジュラー・スイッチ「Switch Bladex908 GEN2」、フロア・スイッチには「x510シリーズ」、エッジ・スイッチには「SH510シリーズ」「SH230シリーズ」などを導入。アクセスポイントには「ATTQ5403」を採用している。
コアをはじめとする主要なポイントでは機器を冗長化し、可用性を高めている。ネットワークはAMFで統合的に管理され、無線LAN環境はAWCおよびAWC-CBで構築されている。なお、無線LANについては、同時に導入されたユニファイド・ネットワーク・マネージメント・ソフトウェア「AT-Vista Manager EX」が無線LANコントローラーの役割を兼ねており、コントローラーアプライアンスレスでの無線LAN環境を実現している。
同時に、アプリケーション連携によるセキュリティ強化を実現する「AMF-SECurity(AMF-SEC)」も導入した。今回の構築では、UTMと連携しておかしな振る舞いなどがあった場合にはアラートを自動送信する設定となっている。南平氏は、AMF-SECurityのほかにも、認証サーバーを導入するなど、セキュリティについても大幅な強化を図っています」と語る。運用面も強化された。市立伊勢総合病院では今回のネットワーク構築にあわせ、アライドテレシスのIT運用支援サービス「Net.Monitor」を導入している。
Net.Monitorは、ネットワークからサーバーまでお客様ITシステムの安定運用を支援するためのサービスだ。アライドテレシスが24時間の監視を行い、障害発生時には一次切り分けを行い、連絡を行う。

24時間の監視で安心、安全のネットワーク運用

 建屋の建設にあわせ回線の敷設や機器の設置、設定などを行い、新病院の開院となる2019年1月、ネットワークも同時に稼働を開始している。以降、ネットワークは安定して稼働しており、「業務に支障が出るようなトラブルは起きていません」と南平氏。無線LANについては、「病室の端など、若干電波の入りにくいところもありますが、チューニングしつつ改善しています」と話すのは、経営推進部医療事務課電算システム係の岩田京悟氏。
現在は、5GHz帯を医療情報系に、2.4GHz帯を医療情報系の予備とインターネット系に利用しており、1つのアクセスポイントでシングルチャンネル方式とセル方式をハイブリッドで運用している。
アライドテレシスのネットワークを導入したことによる効果について南平氏は、「一番効果を実感できているのは、24時間のネットワーク監視です。それまでのネットワークは監視の仕組みがなかったため安心感が違います」とNet.Monitorを評価する。同時に、セキュリティについても、何かあればAMF-SECurityが自動的にアラートを送るため、24時間の安心、安全のネットワーク運用が実現できている。
南平氏はさらに加えて、「監視だけでなく、機器の動作が少しおかしいので交換しましょうなどと提案してくれるのはありがたいです。以前であれば極端な話、機器が壊れるまで分からなかったわけですが、アライドテレシスが監視してくれることにより故障によるネットワークの停止時間も短くできると期待しています」と語った。

患者サービスの充実や災害時のICT活用も検討

 アライドテレシスでは市立伊勢総合病院の要望により、年に一回程度、講習会を実施している。情報セキュリティに関する事例やトピックスを学ぶためで、2019年の講習会では100名を超える職員が出席したという。「職員のセキュリティに対する意識も変わってきています。今後もこうした取り組みは継続するつもりです」と南平氏は言う。市立伊勢総合病院は、三重県内の複数の医療機関間でインターネット回線を用いて医療情報を共有する「三重医療安心ネットワーク」に加入している。
個人情報を保護した上で、患者から同意を得て、インターネット経由で医療情報を共有するシステムだ。
こうした医療連携についても強化しながら、災害時のICT活用などについても検討していくと山本氏は言う。「災害拠点病院に指定されていますので、災害時に当院のネットワークをどのように活用するか、積極的に検討していきます」と山本氏。
南平氏は、「患者様がインターネットに接続できるよう、Wi-Fi環境の整備なども進めていきます」と展望を語った。アライドテレシスではこれからも、市立伊勢総合病院のネットワークを製品や技術、サポートなどの提供を通じて、積極的に支援していく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

市立伊勢総合病院
経営推進部 医療事務課長
(兼)電算システム係長
南平 貫志氏

病院名
市立伊勢総合病院
所在地
三重県伊勢市楠部町3038番地
開設
2005年(市町村合併による開設日)
院長
原 隆久
病床数
300床
事業管理者
佐々木 昭人
URL
https://hospital.city.ise.mie.jp/

21の診療科目を標榜する市民病院。急性期医療を基本にした病院完結型の医療を目指し、急性期から回復期、慢性期へと切れ目のない医療を提供。医療の質と患者サービスの向上を図り、市民に信頼され、安全で安心な医療を継続的に提供していく。

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