兵庫県市川町 様

AMFの導入により自治体情報セキュリティを強靱化

兵庫県神崎郡市川町では、自治体情報セキュリティの強化にともない、ネットワークの刷新を実施。アライドテレシ スのAMF(Allied Telesis Management Framework)対応のネットワークソリューションを導入した。ネッ トワークの一元管理と、万一の障害の際の自動復旧を可能とするAMFにより、設定変更も容易で安定したネットワ ークを構築した。(2018年7月公開)

官公庁・自治体 近畿 推計人口:12,385人
目 的
自治体三層の対策 ネットワークの安定稼働 運用・管理の効率化 セキュリティの強化 業務効率の向上
プロダクト・サービス
スイッチ VCS AMF
規 模
10,000~49,999

子育て支援、地域振興に注力する市川町

 兵庫県中央部に位置する神崎郡市川町。町の中央を市川が流れ、北東部には播磨富士の名で知られる笠形山がそびえる。姫路市の通勤圏内にあり、ベッドタウン的な利便性も備えている。市川町は国産ゴルフアイアン製造発祥の地だ。
ゴルフ関連企業も多く、昭和初期から国内外のトッププロも使用するアイアンを造り続けてきた。市川町総務課課長の竹内勝史氏は、4月に「市川町ゴルフまつりを開催し、ゴルフアイアンをはじめとした地場産業のPRに、町としても力を入れています」と語る。
2018年は、市川町出身で世界的にも認められているシナリオライターの橋本忍氏の生誕100年ということで、記念のイベントなども予定されており、町としても積極的にPRしていく予定だという。「地方では人口減少が叫ばれていますが、市川町も同じです。
暮らしやすさや子育て環境の充実など、町の良さを積極的に告知して活性化に繋げていきたいと思っています」と竹内氏。市川町では子育て環境充実の一環として、町にある幼稚園や保育所、地域子育て支援センターの再編を進めている。子どもの健やかな育ちと子育てを地域全体で支援する環境を整える狙いだと竹内氏は言う。

自治体情報セキュリティ強靭化とともにネットワークを刷新

 市川町では2017年、総務省の自治体情報セキュリティ強靭化のガイドラインに沿ってネットワークの刷新を実施した。従来のネットワークについてもマイナンバー系(基幹系)とLGWAN系(情報系)のネットワークは分離されていたが、情報系とインターネット系を分離するとともに老朽化していたネットワーク機器を入れ替える必要があった。
市川町総務課の山中庸寛氏は、「機器によっては10年近く使用していたものもあり、原因不明のトラブルなども発生することがありました。入れ替えるにはちょうど良い機会と考え、ネットワークを刷新することとしました」と話す。加えて、運用面でも課題があったと山中氏。主にIT周りの運用を担当しているのが山中氏だけであったため、何か起きた際の対応に時間をとられることも多くなっていたという。
「障害対応は保守業者様にお願いするとしても、一次対応は私の方で全て対応してました。機器によっては保守業者様が別々ということもあって、負担が大きい面もありました」と山中氏は振り返る。今回の刷新にあたっては、情報系とインターネット系の分離をはじめとして、サポートの充実した国産ベンダーであることや、万一の際にも復旧が容易であることなどを要件として、検討が進められた。

万一の際にも素早い復旧が可能なAMFを採用

 入札の結果、新たなネットワークとして採用されたのが、富士ゼロックス兵庫株式会社の提案したアライドテレシスのネットワークソリューションである。富士ゼロックス兵庫システムエンジニアの關本賢一氏はアライドテレシスのネットワークソリューションを提案した理由について、「アライドテレシスとは他の案件でも付き合いがあり、製品の故障率が低いことなども知っていました。
市川町様からは国産ベンダーでとのご要望もあり、また、アライドテレシスのAMF(Allied Telesis Management Framework)であれば、故障時の復旧も素早くできるということでご提案しました」と語る。AMFは、複数のネットワーク機器の一括設定や一括アップデート、遠隔地からの管理・設定変更、事前設定不要の機器交換といった運用を可能とするアライドテレシスが独自開発した機能である。
AMFの導入により運用・管理工数とコストの大幅な削減、障害時の自動復旧を実現できる。今回のネットワーク刷新では、コア・スイッチとしてAMF対応の「CentreCOM AT-x930シリーズ」を2台、VCS(バーチャルシャーシスタック)機能を使った冗長構成で設置し、可用性の高いネットワークを実現している。各フロア・スイッチおよびエッジ・スイッチには、インテリジェント・スイッチ「Centre COM AT-x230シリーズ」が設置されている。

異動や新規システム構築の際の設定変更も容易に

 導入にあたっては配線などもすべて見直し、一からの作業となった。山中氏は、「ケーブルなどもかなり複雑化してしまっていたうえに、どこに繋がっているのか、使われているのか分からないようなケーブルもありました。拡張を繰り返してきたため、最新の構成図もなかったような状態でしたので、一からの作業となりました」と話す。機器の導入とともに、ネットワークの分離も実施された。
基幹系、情報系、インターネット系の3セグメントをL2レイヤーで論理的に分離。これにともない市川町ではケーブルに工夫を施している。「異動などによる席替えもあるため、端末を移動した時にも分かりやすいようにケーブルの色を変えています。
基幹系が赤、情報系が黄色、インターネット系が青といった具合に、どのケーブルを挿せば良いのか視覚的に分かるようにしています」と山中氏。この工夫により、4月の異動時期にもネットワーク接続に関する問い合わせは例年に比べて少なかったという。正式な稼働が始まってからもネットワークに大きなトラブルは発生していない。
「トラブルもまったくなくて、安定して稼働しています。運用の手間も掛かっていません」と山中氏は言う。富士ゼロックスの關本氏も、「トラブルがないため、AMFの自動復旧機能を利用したことはありませんが、設定変更などの際にAMFのセントライズドマネージメント機能を活用しています」と語る。従来であれば、フロアやエッジ・スイッチの設定を変更するためにはその場まで行って作業を行う必要があったが、AMFであればマスタースイッチの操作のみで配下のメンバースイッチの設定変更が可能だ。ネットワーク分離により、いくつかの新しいシステムを導入しなくてはならないケースが生じたものの、そうした際にも導入が容易だったと山中氏も評価する。

今後も改善を続け、使いやすいネットワークを目指す

 アライドテレシスでは今回の導入にあたって、構築にあたった富士ゼロックス兵庫の支援を積極的に行っている。「勉強会なども開いてもらい、構築に際してはさまざまな問い合わせにも真摯に、迅速に対応してもらいました」と關本氏はアライドテレシスの対応を語る。
「ひとまず、自治体情報セキュリティ強靭化のガイドラインに沿ったネットワーク刷新は実施できました」と山中氏。市川町では今後も、さまざまな改善を行っていくという。
「ネットワークの分離によりこれまでと業務の進め方が変わっている部署などもありますので、利用者の声も聞きながら改善できる点はしていこうと考えています。また、監視なども含め、さらなるセキュリティの強化にも取り組んでいきます」と山中氏は今後の展望を語った。アライドテレシスではこれからも、製品や情報の提供を通じて、市川町のネットワークを積極的に支援していく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

市川町
総務課 課長
竹内 勝史氏

地域名
兵庫県市川町
所在地
兵庫県神崎郡市川町西川辺165-3
面積
82.67平方キロメートル
推計人口
12,385人
URL
https://www.town.ichikawa.lg.jp/

兵庫県中央部に位置する町。農業基盤や子育て環境の整備が進み、「住民の絆を大切に、元気で輝き誇れる”いちかわ”」を目指して新たなまちづくりが進められている。地域振興にも積極的で、兵庫市川マラソン全国大会や市川町ゴルフまつりといったイベントも開催されている。

※人口は、2018年3月末現在の情報

パートナー企業基本情報

富士ゼロックス兵庫株式会社
公共営業第二課長
川口 剛氏

会社名
富士ゼロックス兵庫株式会社 ※現社名は富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社 兵庫支社
本社所在地
神戸市中央区浜辺通2丁目1番30号 三宮国際ビル
資本金
3000万円
設立
1980年
従業員数
345名(2016年4月1日現在)

複写機・コンピュータ・プリンタ・ファクスなど各種情報機器の販売・保守サービスおよびシステム・サービスの提供。※記載内容は取材当時のものです。

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