岡山放送株式会社 様

オフィスに縛られない自由で新しい働き方「ABW」の実現を目指して、岡山放送が新社屋のBCP対策の強化とスマートフォン内線環境を整備

岡山県岡山市の岡山放送は、本社機能の新社屋への移転に際し、全社の情報ネットワークを刷新。本社とスタジオ「ミルン」の2拠点を中心に、支社を繋ぐ大規模なネットワークを、アライドテレシスの「AMF」により統合管理できる構成で構築。また、岡山放送が進める新たな働き方「ABW」を実現するインフラを目指して無線LAN環境を整備。社内外どこでも働ける環境を構築し、スマートフォン内線基盤にはシングルチャンネルの無線LAN技術「AWC-CB」を採用している。(2024年6月公開)

業種・業務
エンタープライズ
ソリューション
ネットワーク運⽤ AMF Vista Manager シリーズ スイッチソリューション EPSR VCS 無線LAN AWC AWC-CB ハイブリッド無線LAN セキュリティ UTM&VPN PoE
導入製品
システムインテグレーション ネットワーク運用 コアスイッチ ディストリビューションスイッチ エッジスイッチ 無線LAN ルーター(有線LAN) ITサービス(Net.Service)
導入目的
ICT活用 IoT活用 ネットワークの改修・増築・刷新 運⽤・管理の向上 環境の整備 統合管理 安定稼働・安定通信 高速通信 無線LANの簡単導入 セキュリティの強化 ネットワーク監視の強化 運用・管理・監視の支援を外部に委託 業務効率の向上 コスト削減 災害対策
課 題
・機器メーカーがバラバラで設定や保守対応が複雑化
・万一の障害にも事業継続できる強靭なネットワークを構築
・場所にとらわれず自由な働き方「ABW」を実現できる環境づくり
採用ポイント
・コマンド入力が不要で操作性に優れたGUI
・スマートフォン内線の実現に最適なローミングレス技術
効 果
・全社ネットワークの統合管理で運用管理が容易に
・機器や回線の冗長化で耐障害性、BCP対策を強化
・移動しても途切れにくいスマートフォン内線環境を整備

2拠点体制で情報発信力を強化する岡山放送

 岡山放送は、岡山県と香川県を対象にテレビ放送事業を行う放送事業者だ。データ大流通時代の到来を背景に「情報」が人を豊かにする社会の実現に向け、公式サイトのリニューアルやアプリの自社開発などのWeb戦略を立て、“誰もが情報にアクセスできる”環境づくりを推進している。
 「これまで培ってきた地域メディアとしての信頼をもとに、これからの未来をつくる若年層ともコミュニケーションを深め、地域の課題解決や活性化につながる様々なチャレンジを行っています。また、地域に開かれた本社施設として、外部とのコラボレーションを重視した施策に取り組んでいます」と話すのは、岡山放送株式会社 技術統括局 技術統括部 専任部長の安達 久幸氏。
 岡山放送は2021年に、本社機能を岡山市北区学南町から、再開発が進む岡山市中心部に移転した。岡山放送株式会社 技術統括局 技術統括部 課長の吉田 優介氏は、「2014年にイオンモール岡山に開設したコンテンツ部門の拠点ミルンと連携して、2拠点体制で情報発信力を強化する狙いがあります」と言う。
 それら拠点の基盤となる新しい情報ネットワークは、新本社とミルンの2拠点に加えて、5つの支社を結ぶ。大容量の放送素材が経路を流れるほか、自社社員だけでなく外部の制作会社も接続する大規模なネットワークとなるため、検討は移転の3年ほど前から始まった。

従来の課題を解決して、新たな働き方を実現するインフラ構築へ

 移転前の社屋でネットワークの大きな課題となっていたのは、構成するネットワーク機器メーカーがバラバラで、設定や保守なども複雑化していたことだったという。そのため「新しいネットワークには、なるべくメーカーを統一して、一括で運用・管理できる仕組みを求めていました」と安達氏。
 それとともに求めたのが、障害に強いネットワーク、BCP対策(Business Continuity Plan)だ。機器や回線の故障による社内システムの利用停止が長期化する場合があるため、「切れない、強靭なネットワークが必要です」と吉田氏は言う。
 そして新社屋の情報ネットワークを構築するうえでもっとも重視したのが、働き方改革を実現するインフラだ。新社屋では、新しい働き方として「ABW(Activity Based Working)」スタイルを取り入れる。ABWとは、その時々の仕事の内容に合わせて、働く場所を自由に選択する働き方で、もっとも生産性の高い場所を自ら選択して働く考えである。
 「新社屋への移転で、全社員にスマートフォン内線を導入し、自宅からでも外線電話が取れ、内線転送も可能で、固定席にもオフィスにも縛られない働き方を実現します」と安達氏。
 こうした背景のもと複数のベンダーに提案を求め、その中から新社屋の情報ネットワークに採用されたのが、NTT西日本が提案したアライドテレシスのネットワークソリューションだ。

AMFで統合管理を実現、スマートフォン内線の基盤にAWC-CBを採用

 提案のポイントとなったのは、運用性の高いネットワークとBCP対策の2軸だ。運用性の高いネットワークとして、アライドテレシスのAMF(Autonomous Management Framework)を導入。SD-LAN対応ネットワーク機器で構成することにより、VLAN設定や故障時対応などの簡素化・効率化を実現し、合わせてネットワーク統合管理ソリューションの「AT-Vista Manager EX」をAMFコンソール、ネットワーク監視サーバーとして導入することで、容易なネットワーク運用を可能とする。「AT-Vista Manager EXは使いやすく、GUIで管理をカバーできるのは、私たちの要望に合っていました」と安達氏。
 また無線LANは、業務利用のノートPC接続にセル方式の「AWC(Autonomous Wave Control)」を、さらにブランケット方式のシングルチャンネルソリューション「AWC-CB(Channel Blanket)」を社内スマートフォン用途に導入した。「プラレールを走る電車にスマートフォンを乗せ、複数のアクセスポイント間を通信が切断されることなく移動するデモンストレーションを見たとき、このローミングレスの仕組みは検討しているスマートフォン内線環境のニーズにまさにピッタリだと感じました」と安達氏は言う。
 もう1つの軸であるBCP対策では、幹線やファイアウォールを冗長化してシングルポイントの障害によるサービス停止を回避する構成とするほか、支社との接続やインターネット接続の回線冗長、本社とミルン間のリング構成導入など、障害に強いネットワークを実現する。「以前のネットワークでは、支社のインターネット接続が遅いと苦情が来ていましたので、そうした面も改善できる提案だったと思います」と吉田氏は言う。

高い運用性と耐障害性、新しい働き方を実現

 新社屋への移転はちょうどコロナが流行していた時期でもあり、複数拠点の機器設置や入れ替えの作業には苦労したという。プロジェクトマネジメントを務めた、NTT西日本 ビジネス営業部 エンタープライズビジネス営業部門 ソリューション担当の吉田 圭一氏は、「設計からアライドテレシスに入ってもらって、密に連携していただいたおかげで技術面ではかなり安心してプロジェクトを回していくことができました。コロナ禍もありましたが、お客様にもアライドテレシスにも工事のスケジュールを柔軟に調整してもらえたので、上手く進んだと思います」と語る。
 2021年7月、新社屋での放送スタートまでに、新しい情報ネットワークへの切り替えも無事に完了した。以降は大きなトラブルなく、安定して稼働しているという。
 AMFおよびAT-Vista Manager EXにより、シンプルで運用性の高いネットワークを構築したことについて吉田氏は、「運用は非常に容易になりました」と評価しており、またAWC-CBを利用したスマートフォン内線は、導入当初は繋がりにくいところがあったものの、その後の調整により現在ではとくに問題なく利用できているという。「今は問題なく使えています。AWC-CBでなかったらもっと途切れていたのではないかと思います」と吉田氏。
 なお業務でのノートPC接続用のAWCも問題なく利用できており、「事前に綿密なサイトサーベイ(電波調査)をしてくれたおかげと思います」と安達氏は、NTT西日本とアライドテレシスを評価している。
 新情報ネットワークにより、情報発信力の強化とともに、社員の働き方改革を実現するインフラ基盤を構築した岡山放送。安定して止まらないネットワークのもと、放送を続けていきながら、今後はセキュリティの強化や新しい技術の取り込みなども行っていくという。
 吉田氏は「Wi-Fi 6Eなども出てきて、パソコン側も対応し始めていますので、そうした新しい技術も取り入れながら、快適な業務ができる環境を作っていきたいと思います」と語る。また安達氏は「サイバー攻撃による脅威が高度化していますので、セキュリティ対策はますます強化していくつもりです。より安全で快適な社内ネットワークを構築していきます」と力強く語った。
 アライドテレシスはこれからも、岡山放送の情報発信を支える重要なネットワーク基盤を、製品や技術、サポートなどの提供を通じて、積極的に支援していく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

お客様プロフィール

岡山放送株式会社
技術統括局 技術統括部
専任部長
安達 久幸氏

岡山放送株式会社
技術統括局 技術統括部
課長
吉田 優介氏

会社名
岡山放送株式会社
本社
岡山市北区下石井2-10-12
設立
1968年
代表者
代表取締役社長 中静 敬一郎
社員数
135名(2024年4月現在)
URL
https://www.ohk.co.jp/
取り組み

「情報から誰一人取り残されない社会」の実現を目指し、より一層取組みを推進する。

パートナー企業基本情報

お客様プロフィール

西日本電信電話株式会社
岡山支店
ビジネス営業部
エンタープライズビジネス
営業部門
ソリューション担当
吉田 圭一氏

西日本電信電話株式会社
岡山支店
ビジネス営業部
ビジネスエンジニアリング
担当
吉岡 陽子氏

会社名
西日本電信電話株式会社
本社
大阪市都島区東野田町4丁目15番82号
設立
1999年
資本金
3,120億円
従業員数
1,400人
URL
https://www.ntt-west.co.jp/
取り組み

音声伝送サービス、データ伝送サービス、専用サービス、電報サービスのほか、電気通信コンサルティングなどの業務を行う。

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