エスビー食品株式会社 様

スマートファクトリーの基盤となる統合ネットワークを、AMF、AWC-CB、AMF-SECで構築

「スパイス&ハーブ」でおなじみのエスビー食品では、生産工場のスマートファクトリー対応を推進。 その第一弾としてIoTの導入やスマートファクトリー対応を長野県上田市の新工場において進め、その 基盤となるネットワークにアライドテレシスを採用。AMFやAWC-CB、AMF-SECといったアライド テレシスのネットワークソリューションの導入により、統合管理が可能で、万一の際にも素早く復旧で きる、セキュアで安定したネットワークを構築した。(2020年8月公開)

業種・業務
エンタープライズ
ソリューション
AMF Vista Manager シリーズ AWC AWC-CB AMF-SEC(旧:SES) PoE
導入製品
コアスイッチ ディストリビューションスイッチ エッジスイッチ 無線LAN ITサービス(Net.Service)
導入目的
ネットワークの新規構築 運⽤・管理の向上 環境の整備 統合管理 安定稼働・安定通信 セキュリティの強化 ネットワーク監視の強化 運用・管理・監視の支援を外部に委託

IoT導入によりスマートファクトリー対応を推進

 エスビー食品株式会社の創業は1923年。日本で初めてカレー粉の製造に成功し、以来一世紀に渡り、スパイスとハーブのパイオニアとして、コショーやカレー、フレッシュハーブなど、さまざまな商品を世に送り出している。「“食卓に、自然としあわせを。”を企業理念として、広く社会に貢献できる企業を目指しています」と話すのは、エスビー食品株式会社開発生産グループ供給部生産開発ユニットユニットマネージャーの小林正典氏だ。
エスビー食品は2019年10月、創業100周年にあたる2023年に向けて、「安全・安心」と「生産体制」のさらなる強化を目指し、同社の上田工場およびグループ会社のエスビースパイス工業埼玉工場、エスビーサンキョーフーズにおいて、最新鋭の設備を導入した新棟を竣工し、順次稼働を開始すると発表した。中でも、上田工場においては、スマートファクトリー対応に向けてIoTを先行導入し、他工場においても順次IoT導入を進めていく予定としている。
「上田工場の新棟はスマートファクトリー対応の第一ステップとなります。全生産設備とライン検査機器をネットワークで結び、リアルタイムに稼働状況を把握、対応できる仕組みをまず目指しました」と小林氏。この新工場におけるスマートファクトリーのためのネットワーク基盤としてエスビー食品が採用したのが、アライドテレシスのネットワークソリューションである。

スマートファクトリーによる究極の目標は「無人工場」

 エスビー食品の各工場では従来、MES(Manufacturing Execution System、製造実行システム)を導入しており、また工場内で利用するPCも存在するため、ネットワークの導入、活用は行ってきた。しかし、IoTを導入してスマートファクトリーを目指すためにはこれまでのネットワークでは不十分な面があったという。「ネットワークについては、工場ごとに担当者が構築したり、現地のパートナーに依頼して導入したりといった形でした。
今後、IoTやスマートファクトリーを推進していく上では、しっかりとしたセキュリティポリシーを定め、高度な制御が行えるネットワークが必要となります」と語るのは、エスビー食品株式会社管理サポートグループ人事総務室IT企画推進ユニットの丸山慧悟氏。これまでのネットワークにはその他にも課題があった。「インテリジェントではないネットワークということもあり、例えばループが発生したとしても何が起きているのか把握をすることが難しいという課題がありました。また、私たちは基本的に東京にいるため、万一何かあっても復旧までに時間がかかってしまうケースもありました。素早い障害の切り分けと復旧は重要な要素です」と話すのは、エスビー食品株式会社管理サポートグループ人事総務室IT企画推進ユニットの吉宇田智史氏だ。
そうした課題を解決し、スマートファクトリーを目指すためには、これまでとは異なるネットワークが必要となる。小林氏は導入のポイントを次のように語る。「当社における生産工場の究極の目標は無人工場です。無人工場の実現のためには全ての生産設備をネットワークで繋げるステップは必須です。スマートファクトリーにおいてネットワーク機器に要求される役割は非常に大きく、安定稼働は言うまでもありませんが、万が一の場合の不具合箇所の切り分けも重要な要素だと考えています」

リアルタイムな情報連携・活用が可能なネットワークを構築

 IoTやスマートファクトリーに関する情報収集を積極的に行い、検討を重ねた結果、新たな工場のネットワークとしてエスビー食品が採用したのがアライドテレシスである。アライドテレシスでは、ネットワークの一元管理を実現するAMF(Autonomous Management Framework)のほか、アライドテレシス独自のシングルチャンネル方式でローミングレス通信を実現するAWCCB(Autonomous Wave Control-Channel Blanket)、セキュリティ連携ソリューションのAMF-SEC(AMF-SECurity)も提案。
安定してセキュアなスマートファクトリーのためのネットワークとともに、さまざまなセグメントが混在する工場内のネットワークを物理的に統合してVLANで論理的に分割、またメインの幹線や機器の冗長化など、リアルタイムな情報連携・活用が可能なネットワーク構成を提案した。
「スマートファクトリー対応においてネットワーク機器の信頼性は非常に重要です。アライドテレシスのAMFによるネットワークの可視化や、万一の障害時でも素早く復旧ができる仕組みを高く評価しました。また、統合ネットワークによる情報の連携についても良い提案を受けました」と小林氏はアライドテレシス採用の理由を語る。
上田工場の完成にあわせネットワーク導入を実施。竣工とともにネットワークも稼働をスタートした。ネットワークには設備稼働状況監視管理システムを導入。稼働中の設備から各種データをリアルタイムで収集し、生産管理システムと連携してライン全体の進捗管理と阻害要因の早期解消を行う。「導入にあたっては、生産機械の動作テスト時にラグが発生するトラブルがありましたが、アライドテレシスはこの原因調査から最も負担が少なくかつ効果的な解決方法を提示してくれました」と小林氏はアライドテレシスの対応を高く評価する。

さらなる運用品質の向上を図るためにNet.Monitorを導入

 上田工場のネットワークが正式に稼働して半年あまり。トラブルもなく安定して稼働を続けている。工場内ではMESやIoTシステムの端末にタブレットを活用しているが、接続不良や遅延などもなく、無線LAN環境についても安定しているという。
「運用上もとくに問題は起きていません」と吉宇田氏。ネットワークのセグメントをしっかりと分けたことにより、従来の工場ネットワークでは発生することがあったループ障害なども抑止できている。丸山氏は、「細かなネットワーク分離や、それらを一元的に監視・管理と自動復旧を実現するAMFとAT-Vista Manager EXを導入することで、セキュリティと耐障害性が大幅に向上する構成を構築することができました」と今回の導入を振り返り、AMFとネットワーク管理ツールであるAT-Vista Manager EXを導入したことで、トラフィックなども見える化でき、状況の把握が容易になったと評価している。
2020年7月からはネットワークの運用支援サービスであるNet.Monitorを導入。「常時監視を提供するNet.Monitorを導入し、より迅速かつ個人の技量に左右されない運用環境を構築していきます」と小林氏は語る。今後は他の工場にもスマートファクトリー対応を進めていくにあたり、想定されるネットワーク技術者の不足への対応の観点からも安心できるサービスとNet.Monitorを評価しての導入だ。

真のスマートファクトリーへ、全国の工場にも横展開

 今回の導入により上田工場から離れた場所からでも設備の稼働状況の把握が容易に行えるようになったことにくわえて、工場内にも設備稼働状況監視管理システムのディスプレイ端末を複数台設置して、現場の担当者もすぐに状況が見えるようになっている。
しかし今回の導入は、2つの意味で第一歩だと小林氏は言う。「今回まずやらなくてはいけないと考えたのは、現場の見える化、つまり設備の稼働状況を把握することです。これができるようになったことにくわえて、データの蓄積が可能となりましたので、今後はデータの解析を深めていき、設備単位の予兆検知や改善策を講じ、さらなる稼働率向上や安定稼動を図っていきます。
そして、上田の新工場を第一ステップにスマートファクトリー対応を全国に進めていく予定です」と小林氏は今後の展望を語った。これにあわせて、AIの活用なども検討を開始していると小林氏は語った。エスビー食品ではスマートファクトリー対応と並行し、手書き帳票の電子化も検討中で、工場内ネットワーク機器のさらなる拡充も検討しているという。アライドテレシスではこれからも、IoT導入やスマートファクトリー対応にとどまらず、エスビー食品のネットワークインフラのさまざまな課題を解決するために、製品や技術、サポートの提供を通じて、積極的に支援を行っていく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

お客様プロフィール

エスビー食品株式会社
開発生産グループ
供給部
生産開発ユニット
ユニットマネージャー
小林 正典氏

会社名
エスビー食品株式会社
所在地
東京都中央区日本橋兜町18番6号
創業
1923年
代表者
代表取締役社長 小形 博行
サイトURL
https://www.sbfoods.co.jp/
取り組み

「地の恵み スパイス&ハーブの可能性を追求し、おいしく、健やかで、明るい未来をカタチにします。」をビジョンに掲げ、その実現に向かって活動を続ける。近年は豊富なラインナップを誇る洋風スパイスにくわえ、世界の料理が簡単にできる「SPICE&HERBシーズニング」のシリーズ商品も充実。

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