PoE(Power over Ethernet)はLANケーブルを用いて電力を供給するテクノロジーです。
●「現場での安定した給電が難しい」「大量のIoTデバイスを利用したい」「施設の美観を損ねたくない」といった課題を解決します。
●イーサネットのLANケーブルを用いて、ネットワーク機器とデータ信号を送受信しつつ電源を供給し、スマートかつ安定した電源供給を実現します。
●給電機器をPSE(Power Source Equipment)、受電機器をPD(Powered Device)と呼びます。
PoEを用いることで次のようなメリットが期待できます。
PoE | ポートあたり最大15.4Wの給電が可能です。 |
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PoE+ | ポートあたり最大30Wの給電が可能です。アライドテレシスでは全スイッチでPoE+に対応しています。 ※FS708TPL-PSを除く |
PoE++ | ポートあたり最大90Wの大容量給電が可能であり、30W PoE+の3倍の給電能力を提供します。 |
規格名 | 給電機器 (PSE) の電力 |
受電機器 (PD) の最大電力 |
適用ケーブル | ケーブル最大長 | 受電機器 (PD) の例 |
---|---|---|---|---|---|
PoE (IEEE 802.3af) |
15.4W | 12.95W | Cat.3以上 | 100m | VoIP電話、無線LANアクセスポイント |
PoE+ (IEEE 802.3at) |
30W | 25.5W | Cat.5e以上 | 100m | ネットワークカメラ、ビデオIP電話 |
PoE++ (IEEE 802.3bt Type3) |
60W | 51W | Cat.5e以上 | 100m | 高解像度ネットワークカメラ |
PoE++ (IEEE 802.3bt Type4) |
90W | 71.3W | Cat.5e以上 | 100m | ラップトップ、テレビ |
電源が取れない場所に、機器を設置したい。
電源ケーブルレスで接続距離を最大200mまで延長可能!
PoEで受電した電力を自身で使いつつ、配下のPoEデバイスに給電する機能です。
●大容量給電が可能なPoE++機能との併用により、ケーブルレス構成が可能になります。
停電時にネットワークが途切れ通信ができなくなる。
機器の再起動時もPoE給電を継続可能で、影響を最小限に!
機器の再起動時にもPoE給電を継続可能にする機能です。
●照明やセンサーなど、
給電が必須のIoTデバイスの停止を回避
●配下の無線LAN APへの給電を続けるため、
迅速な復旧が実現
●録画機能一体型のネットワークカメラにおいて
録画の継続が可能
PDにトラブルが起きたとき、すぐに対応したい。
トリガーを事前に設定して、自動的にPDを再起動!
PDの状態を監視して、PoEのオン/オフによりPDを自動的に復旧させることができます。
●障害復旧のためのソフトウェアが不要
●機器への設定のみでPD復旧が可能
●スクリプト設定により、人手を介さずに自動対応
ポート1に接続したPoEデバイスに対する自動障害復旧を設定します。
pingポーリング「1」を作成し、監視対象のPoEデバイスのIPアドレスを設定し、有効化します。
※対象にPingを送信する間隔、到達性が失われたと判断するPing回数などのパラメーターも設定できます。
awplus(config)# ping-poll 1 ↓
awplus(config-ping-poll)# ip 192.168.10.101
awplus(config-ping-poll)# active
editコマンドでエディタを立ち上げ、到達性が失われた時にトリガーで実行するスクリプトを作成します。
awplus# edit poeoffon.scp↓
スクリプトは接続ポートのPoE給電をオフ→3秒後にオンとするコマンドです。
enable
configure terminal
interface port1.0.1
no power-inline enable
wait 3
power-inline enable
1で作成したPingポーリングにて到達性が失われた場合に2で作成したスクリプトを実行するトリガーを設定し、有効化します。
awplus(config)# trigger 1
awplus(config-trigger)# type ping-poll 1 down
awplus(config-trigger)# script 1 flash:/poeoffon.scp
awplus(config-trigger)# active
アライドテレシスは、PoE++と、既設のCat5eケーブルを用いたまま、1Gから2.5G/5Gへ通信帯域をアップグレードできるマルチギガ対応製品を幅広くラインナップします。
標準的な構成はもちろん、次世代構成も最小限のコストで導入できます。